残された者として母の介護を心に誓い

とても仲がよかった父と母

── お母さんはお父さんの状態を知っていたのですか?

 

五十嵐さん:私は濃厚接触者になっていましたので、父が入院中は母を預け先の病院に迎えに行くことができませんでした。そのため、母とのやりとりも電話でした。母は父から連絡がないため「お父さんはどうしているの?」と、とても心配していました。

 

父が亡くなったことを母に伝えねばならなくなったときがいちばんつらかったです。病院は感染予防のため基本的には面会禁止だったのですが、父が亡くなったことは電話で伝えるような内容ではないため、病院に事情を話して特別に面会をさせてもらうことに。父の遺骨が手元に戻ってから私から母に伝えたのですが、母は言葉がでない状態でした。そこからすっかり元気がなくなってしまいました。

 

その後、私が母をよりいっそう支えていかなければと。あまりにもあっけなく逝ってしまった父のこともあり、悔いの残らないよう、私ひとりでしっかりと母を介護していこうと心に誓いました。

 

取材・文:酒井明子 写真:五十嵐サキ