「頭はクリアなのに、自分の手や足がどこにあるのかわからない。まるで頭しか残ってないような感覚だったんです」。天理大学アメフト部に入部し、初の公式戦を闘っている最中、脊髄を損傷し、首から下の動きと感覚を失った中村珍晴(たかはる)さん。「二度と歩くことはできない」と医師から宣告を受け、絶望の淵に立たされた状況を救ってくれたのは4歳上の兄の「仕事を辞めて理学療法士になる。少しでも力になりたい」という、予想もしなかった言葉でした。