温泉ないまんじゅうの反響が追い風に

── おんせんどろぼうが公開になる少し前のタイミングには、「温泉まんじゅう」ならぬ「温泉ないまんじゅう」がX(旧Twitter)で話題になりました。こちらも谷坂さんのアイデアですか?

 

谷坂さん:はい。温泉に温泉まんじゅうがあるならば、温泉がない草津には温泉ないまんじゅうがあったらいいんじゃないかというひらめきから生まれました(笑)。おまんじゅうの温泉マークに斜線が入った「温泉ない」マークの焼印が押されてあり、現在は制作に協力してくださっている和菓子店の店舗や道の駅、ホテルなどで販売しています。

 

温泉ないまんじゅう
県外からの問い合わせも多い温泉ないまんじゅう

温泉ないまんじゅうをXに投稿したところ、すぐに1300万回インプレッションとバズりまして。実は、そのころにはおんせんどろぼうもすでにできあがっていたんですが、しかるべきタイミングで世に出したくて機会をじっとうかがっていたんです。それで、温泉ないまんじゅうの反響を見て「今だ!」とおんせんどろぼうも公開しました。

 

── そんな戦略だったんですね!温泉がないことをPRするのはとてもユニークですが、別の角度から見ると自虐的ともとらえられると思います。方向性に反対意見などはなかったのでしょうか?

 

谷坂さん:初めは協会内でも半信半疑の空気で、おもしろいという声だけでなく、そうした方向性はリスクもあるのではと心配の声もありました。しかし、温泉ないまんじゅうの反響によってみなさん納得してくださいました。

 

── 満を持して世に出たおんせんどろぼうですが、反響はいかがでしたか?

 

谷坂さん:実は、私としてはおんせんどろぼうについては「どろぼう」というコンセプトなので批判の声も覚悟していたんです。でも公開してみると好意的な声が多くて、テレビなどのメディアでも取り上げていただきました。ありがたいことに、みなさんストーリーを読んでコンセプトを理解してくださっていると感じます。

 

11月にはクラウドファンディングで作った着ぐるみのお披露目イベントを行いました。最初は定員30名だったのが即完売してしまって、あわてて40名に増やしました。当日は市内だけでなく市外や県外からもお客さまがいらしゃいましたし、「おんどろ」と呼ばれているところを見かけて「そんなふうに略されているんだ!」と発見もありました(笑)。生みの親としてはみなさんに愛されているのを感じてうれしかったです。

 

── おんせんどろぼうのグッズや温泉ないまんじゅうの売れ行きもいいそうですね。

 

谷坂さん:現在、市内の道の駅やホテルにおんせんどろぼうのグッズを置いていただいてますが、今までにうちで作ったどのグッズよりも売れ行きがいいですね。10月からは道の駅に缶バッチのカプセルトイを設置していて、ひと月に150個くらい売れています。温泉ないまんじゅうについては、先日中学生と駅で販売するイベントがあったんですが、2時間で100箱以上売れて驚きました。県外からも通販がないのかという問い合わせも相次いでいます。その分、最近では草津温泉との間違いメールも減ってきていて、そうした形での効果も感じていますね。