シングルファーザーとして2人のお子さんを育てる俳優の西村和彦さん。年子でも月齢が近く「ほぼ双子」状態で、子どもが小さいときは俳優の仕事をちょっとお休みしていたそう。「周りに頼れる人がいるなら頼るべき」と話す西村さんに、育児に追われていた当時のことを振り返っていただきました。

ふとした瞬間に芽生えた父親の自覚

西村和彦
西村さんの趣味はバイク。時間を見つけてはツーリングも楽しんでいるそう

── シングルファーザーになられたときには、お子さんはまだ小さかったと思いますが、幼いお子さんをふたり抱えての生活は大変ではなかったですか?

 

西村さん:もちろん、大変なこともありましたが、うちはシングルになる前から基本的に家事は分担制で、料理部門は僕がやっていましたので、そこでの苦労はなかったですね。ただ、俳優の仕事は家を空けることが多いので、子どもが小さいときには俳優業はお休みして、ある程度、始まる時間と終わる時間が把握できる仕事にシフトしていました。

 

── 当時、シングルファーザーになる“覚悟”みたいなものを感じることはありましたか?

 

西村さん:それはなかったですね。ただ、僕は自分が「父親になる」という自覚を持つのが、ほかのお父さん方より少し早かったかもしれません。よく言われるのは、女性はお腹に赤ちゃんがいるとわかった時点で母親になるけれど、男は実際に生まれてきた子を抱いたときに初めて父親の意識が芽生えると。それこそ僕も最初の子どもを授かったとわかったときは、元気に生まれてきてくれることだけでなく、この子をどう育てればいいのかとか、実際に生まれてから考えればいいようなことをいろいろと考えていました。

 

そんなときに、ふと「どういう子が生まれてきても、どんなことがあっても、俺が責任を持つ」と思ったんですよね。そのときに「俺は父親になったんだ」と自覚しました。そのときのことは今でも覚えています。

 

── お子さんは年子だそうですね。

 

西村さん:年子でも1年と1か月しか離れていないので、ほぼ双子ですね。ベビーカーも双子用のものを使っていました。横並びではなく縦型のもの。それだとスーパーのレジを通れるんですよね。

 

── 年子で、しかも月齢が近いとなると、大変さが倍増しそうですね。

 

西村さん:うちは2人兄妹ですが、どうしても男の子は体が弱かったりするので、そこは気をつかいましたね。手洗いやうがいは当たり前ですが、当時、僕らが住んでいたのが東京の都心のほうでしたので、車の排気ガスがすごくて。医師から「とにかく加湿してください」と言われたので、酸素マスクみたいなものを使って集中的に加湿するようにしていました。その医師によると、子どもが小さいときに空気が悪いところにいると、それを吸わないように口腔や鼻腔、気管支が縮まってしまうことがあるそうなんです。なので、毎朝の加湿は欠かさずにやっていました。