手術したけれど「がんではなかった」

── 手術はどのように行われたのでしょうか?

 

武東さん:私の場合、子宮頸がんのなかでも円柱上皮細胞に発生する腺がんの疑いが高いと診断されたようで、がん細胞がある可能性の高い子宮頸部を円錐状に切除する円錐切除手術を行いました。大学病院での検査では異常が見つからなかったものの、もしかしたらもっと奥にがん細胞があるのかもしれないということで、子宮を温存しつつも一部を切除したんです。

 

それで切除した部分を手術後に検査したのですが、結果的にがん細胞は見つかりませんでした。

 

── がんではなかったとして、何か別の病気だったのでしょうか?

 

武東さん:なんとも言えません。最初の病院でどうして子宮頸がんの可能性が高いという診断が出たのかはわかりませんが、病院は子宮の入り口から取った細胞を外部機関に送り、そこで顕微鏡を使って調べて診断をします。診断するのは人ですし、たくさんの細胞が送られてくるので、もしかしたら間違っていたのかも。明確なことはわかりませんが、とにかくがんではなく、それ以外の病気でもありませんでした。

 

どちらかというと大変だったのは手術後で、子宮頸がんの手術をするとしばらくは出血するリスクがあるのですが、外出中に大量出血してしまったんです。気づいたらブーツに血が溜まっているほどの量で、私が歩いたところは血だらけに…。すぐに病院で処置してもらいましたが、そのようなことが2回ほどありました。

 

── 手術でがんの疑いがなくなったことに対して、どのような気持ちになりましたか?

 

武東さん:安堵の気持ちが大きかったですね。検査や手術後に結果を聞く前は、とにかくドキドキしていて毎回怖かったんです。だから、がんではないとわかったときは「こんなこともあるんだ」と。病院では医師や看護師さんがとてもやさしく接してくれたので、すごく安心して過ごせたのも大きかったと思います。

 

また、このできごとをきっかけに、毎年きちんと検診を受けるようになりました。自分の体に対する意識を変えるきっかけになり、今では検診後には来年の予約をして帰るようになりました。