脳が活性化しない「スマホ漬け」生活は要注意
インターネットには情報が溢れています。スマートフォンなどで閲覧することで脳の刺激にはなるかもしれませんが、問題なのは「視覚」しか使っていない場合が多いことです。また、ひたすら情報にさらされるだけで、「受け身」の態勢になっていては、脳は活性化しません。それは、テレビやネット動画を見る際にもいえることです。そうならないためには、見聞きした情報について、「自分はどう感じたか」「自分ならどうするか」などと考えて、自分なりの意見をアウトプットしてみることが大切です。それが「思考力」を鍛えることになります。
こうした、さまざまな情報を統合して思考する力は、特に加齢とともに衰えやすくなる能力です。自分自身でも家族でも、仕事をリタイアしたときや、子どもが独立して「空の巣症候群」になってしまったときなど、急にこれまでの役割が失われるような場面は、脳が衰えるきっかけになることが多く、注意しなくてはいけません。
脳トレにも落とし穴が?
脳トレも、同じ種類のものばかりを続けていては、限られた機能しか使うことができません。「ばっかり脳トレ」にならないようにするには、視覚を使うもの、聴覚を使うもの、音読のように声に出して行うものなど、あるいは集中力が必要なもの、記憶力が必要なもの、思考力が必要なものなど、バリエーションをもたせるとよいでしょう。
また、脳トレは、簡単すぎると慣れてラクになってしまい、せっかく時間をかけても、脳を鍛えることになりません。反対に難しすぎると、「嫌気がさして続かなかった」という経験がある人も多いのではないでしょうか。大切なのは「できた!」という達成感・成功体験を得ること。達成感や成功体験は「次もがんばろう」という意欲のもとになりますし、それが継続につながります。脳トレは続けてこそ効果を発揮しますから、自分が楽しいと思えるものであることも大事です。