子育ての予定は公休扱い
── ともにチョコレートブランドの代表をつとめるおふたりに働き方のルールはありますか。
平井さん:もう阿吽の呼吸でお互いに動けるようになっていて、基本的に仕事は一緒に取り組んでお互いがすべてを把握しているのですが、最近では新規開拓や打ち合わせなどは少しずつどちらかに任せる形で分担しながら進めています。

お互い子どもがいて子育てと並行しているので、子どものお迎えと運動会、授業参観など、子育てのスケジュールも全部、考慮したうえで仕事を組んでいます。ふたりのなかでそういった行事は公休扱いの感覚で、仕事と同等に大切なものという認識でいます。
突然予定が変わってしまうようなこともありますが、それはお互いさま。急な変更にも、相手を気持ちよく送り出せていると思いますし、なるべくどちらかが我慢するとか、どちらかに負荷かがかかるということがないよう気をつけています。
── 夏休みなどの長期休みや、週末などに仕事が入るときはどうしているのですか。
平井さん:今年の夏休みはうまくやりくりできていなかったと思います。サマープログラムという夏休み中に子ども向けに開催される体験型の学習イベントを数日利用したのですが、あとは両親や姉、ママ友の力を借りたり、現場に連れて行ったりして過ごしていました。やっぱり子どもが長期で休みになると、娘が常に予定に組み込まれていて自分の時間がゼロになるので、仕事でのパフォーマンスがどうしても落ちると思っていました。考える時間もないので、軌道修正して立て直すこともできなくて。もうここは子ども優先と腹を括って、夏休み中は仕方ないと思うようにしていました。
── 夏休み中に落ちた仕事のパフォーマンスは、いつごろ挽回させたのですか。
平井さん:夏休み明けが忙しかったです。溜まっていた仕事を一気にしなくてならなかったり、着手していたけれど進行が遅くなってしまっていたものに取り掛かりました。一緒にチョコレート作りをしている同期とも「夏休みって恐怖だね」と話していて。夏場は、チョコレートがどちらかというと繁忙期ではないのでなんとかなっていた部分はあるのですが、夏休み中に本格的に動く業界だったらさらに大変だったと思います。
娘は小学2年生で、これから先も毎年夏休みはやってきますし、この先は冬休みも待ち構えています。「一度に長い休みがあるのではなく、1年の中に休日を散りばめてもらえたらうれしいのにな」と思ってしまいました。今年の夏休みを終えて、働いている親御さんも働き方が変わって、平日休みや週休3日などが普通になっていけば、堂々と子どもと一緒にいられる時間ができると思いました。そうすれば子育てがもっと楽で楽しいものになるのになと感じましたね。