1年前に美と健康を意識したチョコレートブランドを発足させた平井理央さん。一緒に働く友人とは子育てのスケジュールを考慮したうえで仕事の予定を組むなど、起業家とママを両立するうえで働き方にも工夫が──。

起業で「伸びしろが増えた」

── フジテレビ時代の同期と一緒に、美と健康をサポートするチョコレートブランド「VIVID CACAO」を立ち上げ1年が経ちました。予防医学の専門家が監修し、ビタミンや乳酸菌が入っているうえ、原料にもこだわりカカオ豆の剪定から自分たちでされているそうですね。アナウンサーとはまったく違うジャンルだと思いますが、新たな挑戦を振り返ってみていかがですか。

 

平井さん:アナウンサー歴はもう20年ほどになるのですが、自分たちでブランドを始めてからはまだ1年です。アナウンサーではない仕事の分野に飛び込んでみて、自分の伸びしろが増えたような気がしています。

 

平井理央
「ふたりでいると自然と笑顔に」仲よし同期で起業した平井さんと錦織さん

「まだまだ自分は成長できる」と日々実感しています。自分たちで始めたので頑張らなくてはならないというプレッシャーはあるのですが、楽しく取り組めていると思います。

 

── ブランドを立ち上げる前は、アナウンサーとして表に立つことが多かったと思いますが、今は裏方の仕事もされているそうですね。

 

平井さん:ポップアップなどのイベントをする際の準備は手作業で自分たちでしています。たとえば商品を展示する台に自分でペンキを塗ったり、来てくださった方へのプレゼントも手作りしたり。一つひとつ手作業で缶バッチメーカーを使ってバッチを作りました。商品の検品から会場のセッティングまですべて自分たちでしているので、この1年でだいぶ素早く動けるようになったと思います。

 

そうした経験によって、アナウンサーとして司会の仕事をする際も、周りの方がいちから会場準備や段取りを作り上げてくださっていることにより感謝の気持ちが強くなりました。改めてひとつのイベントを作り上げることがどんなに大変かも実感していますし、自分が今まで知らなかったことも体感することができています。たとえば「台本ってこういう流れのほうがわかりやすいな」とか、物事を作り手の目線で物事をとらえられるようになりました。

 

── 同期とふたりで取り組んでいることのよさはどんなところにありますか。

 

平井さん:いくらチョコレートが好きでも、それを実際に作るという挑戦は、私ひとりだったら最初の一歩が踏み出せなかったと思います。友人の存在があったからこそチャレンジできましたし、大変なことがあってもふたりで乗り越えて、うれしいことは喜びを分かち合って。これはひとりでは見えなかった景色だと思っています。これまでの自分のキャリアも周りの方に支えられてきたのですが、40代からの新たな挑戦は友人と始めたからこそ実現できたと思っています。