劇的ダイエットで話題になるも役作りで新たな壁が

── 飾らないトークの豪快キャラが定着してきた30代後半を経て、40歳を目前に、CMのダイエット企画では約3か月で12.2キロも減量し、話題になりました。あのくびれはとても美しかったですね。でもこれだけ短期間で成功するのはなかなか難しいと思いますが、普段からストイックなタイプなのですか?

 

佐藤さん:あれはもう、仕事だからストイックにやりきりました。「いろんな人を巻き込んで、期待もされたので。それは裏切れないな」と。ダイエットに成功した姿の発表と同時に情報解禁する必要があったので、ダイエット期間中はテレビの露出も減らしました。

 

やせていく自分を見るのはうれしくて、細身のシルエットの洋服がつい着たくなったりするんですけど。情報解禁まではオーバーサイズの洋服を用意してもらい、体型変化が目立たないようにしていました。

 

佐藤仁美
12キロ減に成功したころの佐藤さん

ただ、お酒ばかり飲んでいるというイメージがあったので、「やせていくけどどうしたの?病気?」と周囲に心配されないように、「ダイエットしていて病気じゃないので心配しないでください」と、軽くお知らせはしたりしていましたね。

 

── やせたことで、役どころに変化はありましたか? 

 

佐藤さん:それが…役者として再ブレイクのきっかけになったドラマ『家政婦のミタ』(2011年)で演じた「嫌味なおばさん」のような役は、ふくよかだから成り立つようなところがあって。やせたらできる役がどんどん減ってきちゃったんです。やっぱり、太っているときのほうがキャラクターとしておもしろかったなっていうのはあるんですよ。だから役作りは、やせてからのほうが大変でした。

 

いただける役は強いキャラというより、普通の主婦役みたいになってきて。監督にも「普通っぽくやってください」と言われるんですが「普通の主婦って何だろう?」と(笑)。自分のなかで役の解釈が、逆に難しくなっちゃったんですよね。

 

── 体型が変わったことで、キャラが変わってしまったということですね。

 

佐藤さん:「おばさんキャラ」を確立させるのに10年かかったのに、やせたことでそれがリセットされ、新たなるスタート…。これはいろいろ考えていかなきゃいけないと思いました。もう、今の私には以前のようなコミカルは求められていないんだなぁ、「普通をまず探さなきゃ」と。