「別れよう」と伝えた彼の予想外の言葉は

── そこからすぐに手術をすることに?
長藤さん:私の場合、無症状だったにも関わらず、すでに左の卵巣が15cmにまで腫れ上がっていたそうです。通常は10cmを超えると破裂してしまう可能性があり、卵巣は破裂してしまうとほかの場所にがん転移するリスクが高く、さらに私の罹患した卵巣がんは進行が早かったため、一刻も早く手術で切除する必要があると言われました。そのため、その日のうちに、1週間後に手術をすることが決まりました。
── 怒涛の1日だったのですね。まわりのかたにはすぐに報告しましたか?
長藤さん:両親に報告すると母は特にショックを受けていました。母はずっと泣きっぱなしだったのでそれを見て、私自身は逆に冷静になって、両親の前では泣かないと決意できました。母はそんな私を見て「あなたは本当に強いね」と言っていましたが、そうならざるを得なかったんですよね。
あとは、今の夫、当時つき合っていた彼にも報告しました。病気がわかったときは、実はつき合ってからまだ2週間。これから治療がどれくらいかかるかわからない私につき合わせてはいけないと思い、別れようと言ったんです。そうしたら彼が「わかったのが今でよかった。一緒にいてあげることができる」と。そのような言葉は想像していなかったので、彼の第一声にはただただ驚くばかりで。彼が言ってくれたプラスの言葉に、とても救われたのを覚えています。