「これや!病名がつく病気やったんや」

野々村友紀子
産後の疲労とむずむずのストレスが重なった時期も

── そうした症状が出るなかで、病院を受診することはありましたか?

 

野々村さん:病気だと思っていなかったので、病院に行くという考えが浮かびませんでした。でも2014年ごろに、テレビでたまたま「むずむず脚症候群」という病気について放送されているのを観て「これや!」と。「病名がつく病気やったんや」と驚きました。番組で紹介されている症状が、私が感じてきたこととほぼ一致していたし、私以外にも同じ病気で悩んでいる人がいることも知ってびっくりしました。

 

精神的なものかもしれませんが、テレビで病気だと知った途端、症状がさらにひどくなったような気がして。ますます眠れなくなりました。

 

── そこではじめて病院へ?

 

野々村さん:いいえ。疑問に思ったことはまず徹底的にリサーチしないと気が済まない性分で、まずは「むずむず脚症候群」についてネットで情報収集しました。むずむず脚症候群は通称で、正式には「レストレスレッグス症候群」「下肢静止不能症候群」という病名だそうです。ハッキリした原因はなく、症状も人によって異なるようで、私のように関節を折りたくなるようなダルさを感じる人もいれば、脚の中を虫がはうようなむずむずした不快感を感じる人もいるようです。調べていくなかで、出産を機に症状が出たという人がいること、貧血が原因のひとつということがわかりました。貧血が原因の場合は、鉄分を含むサプリを飲むことで脚の不快感が緩和されたという話もありました。

 

── 妊娠・出産で鉄分不足になる女性は多いですよね。

 

野々村さん:授乳もしていましたしね。鉄分や、妊娠出産で不足しがちな葉酸、ほかにもさまざまなビタミンが入ったサプリを購入して飲んでみました。2日後ぐらいにだるさを感じなくなり、脚の不快感は出なくなりました。結局、病院は一度も受診していないのでハッキリと診断名がついたわけではないですが、たぶん「むずむず症候群」だったのではないかと思っています。

 

── その後、脚の症状はいかがですか?

 

野々村さん:産後から時間が経って、不快感が徐々になくなって、今はほとんど気になることはないですね。ただ、50代になりましたし、更年期症状をはじめ、年齢的にいろいろ疲れが出てくるころだと思います。この先も健康的に過ごしていきたいので、自分の体と常に向き合っていたいと思っています。

 

 

自分の体と向き合いながら過ごしている野々村さんですが、プライベートでは夫の川谷修士さん(2丁拳銃)と結婚して今年で23年になります。芸人時代の後輩だった川谷さんから直球の告白を受け、その後交際、結婚へ。子どもが小さいころは子育ての不満が溜まり、家族で外出中に車から飛び出してしまったこともあると言いますが、今は思ったことは素直に話をしながら、変わらずいい関係を築いているそうです。

 

取材・文/西谷友里加 写真提供/野々村友紀子