電気もつけず、暗闇のなかでキックボクシングの真似を深夜に3、4時間もやっていた時期があるという野々村友紀子さん。実はある不快感から、体を動かさずにはいられなかったと言います。あるとき、その症状は実は病気だったことがわかって── 。

産後の睡眠不足を助長したのは「脚の不快感」

野々村友紀子
芸人から放送作家に転身し活躍が続く野々村さん

── 放送作家として活躍しながら、プライベートでは2002年に芸人の2丁拳銃の川谷修士さんと結婚して、2人の娘に恵まれました。仕事もプライベートも充実しているように感じますが、過去には、変な症状に悩まされたとうかがいました。脚がむずむずするような不快感が続いたそうですが、それはいつごろからだったのですか?

 

野々村さん:たぶん学生時代からはじまったような気がします。昼間はとくに気にならないのですが、夜、寝ようとして横になると、脚がダルくなって、動かさずにはいられない感じがありました。歩きすぎてダルいという感じではなく、肩が凝ったときに肩を回して関節をバキッと鳴らしたくなるような感じ。脚全体というより、ひざや足首など、脚の関節のあたりにむずむずするような違和感があって。かゆいとか、痛いという感じとは違うんですよね。

 

── そんな不快感が。当時は誰かに相談したのですか?

 

野々村さん:いえ。親にも友達にも話したことはなかったです。肩こりのようなよくある症状だと思っていたし、毎日のことではなかったので、当時はそこまでツラくもなく。あまり気に留めていませんでした。

 

── しかしそこから、不快感は増していったんですよね。ツラく感じ始めたのはいつごろだったのですか?

 

野々村さん:32歳で長女を出産したあとから、我慢できないぐらいの不快感に変わりました。出産前は、寝転がって脚を上げて軽く動かせばどうにか眠れたんです。でも、出産後はちょっと動かしたぐらいでは眠れなくなりました。猛ダッシュで走り出したい、膝を逆側に曲げてへし折りたいくらいの衝動にかられてしまって。このときも症状が出るのは決まって夜、寝るとき。症状が出るとだいたい1週間くらい続いたような気がします。

 

── 眠れないほどの不快感とは…。

 

野々村さん:脚を動かさずにはいられなかったのですが、寝室には夫と子どもが寝ているので、心置きなく脚を動かせるようにリビングに移動し、そこでひとりでキックボクシングのような蹴りをしていました。電気もつけず、暗闇でシュッ、シュッと脚を蹴り上げると、すこしはダルさが誤魔化せるような気がしたんです。長いときは3、4時間くらいやっていましたが、効果があったのかなかったのか。ただ体力を使い果たして、疲れて眠っていたような感じです。

  

── ただでさえ産後は授乳などで睡眠時間が削られるのに。そんななか3、4時間も。

 

野々村さん:そうなんです。2時間起きの授乳に加え、夜泣きが続くし、脚はむずむずするし、でも、明日に備えてちゃんと寝なきゃと思うと、またそれもプレッシャーで…。

 

── 野々村さんが眠れずにもがいているとき、旦那さんはどうしていたのですか? 

 

野々村さん:夫は同じ部屋で寝ていたのですが、気づいていなかったと思います。子どもが泣き出しそうな「フガッ」という声でも私は起きてしまうのに、夫は隣で熟睡していて「よう寝れてんな!」と、うらめしかったです。