いますぐ「心を積極的にする」5つの実践メソッド
中村天風の教えの主軸は、「心を積極的にすれば、どんな壁も乗り越えられて、人生は好転していく」というメッセージです。積極的といっても、「誰かに勝とう」とか「とにかく行動しよう」ということではありません。「明るく・元気に・朗らかに」生きるということ。自分だけでなく、周囲も幸せにする究極のポジティブ思考です。
中村天風は「心を積極的にする」実践法を提唱しています。すぐに役立つ代表的な手法を5つ紹介しましょう。
①命令暗示法
夜寝る前、鏡に映る自分になりたい状態を命令する。「あなた、もっと幸せになる!」など。主語は「あなた」「お前」、もしくは自分の名前に。
②断定暗示法
朝起きたら、前夜に命令したことがすでに現実化していると断定する。「私、とても幸せになった!」など。主語は「私」「僕」などの一人称に。
③内省検討
何かに取り組むときは「心が積極的か(楽しめているか)、心が消極的か(イヤイヤやっていないか)」チェックする。消極的と思ったら、2分間目を閉じて、ゆっくり呼吸しながら、自分が楽しいと思う場面をイメージ。
④打ち消し言葉
消極的な発言をしてしまったら、すぐ「打ち消し言葉」を使う。「もう疲れた」→「わけがない」、「死んじゃいたい」→「とは思わない」、「やる気が出ない」→「のは勘違い」など。
⑤クンバハカ法
お尻をキュッと締め、肩の力を抜き、丹田(へその下)に力を込める。若干の時間差はあってもいいが、3つ同時に行うイメージで。
これらは、心と体の両面からアプローチする「積極的に生きる」ための実践法です。中村天風は、そのほかにも心を整える呼吸法や瞑想の方法など、さまざまな実践法を教えてくれます。自分で効果を感じられるものから続けていけば、心はだんだんラクになってくることでしょう。
多様な生き方ができるように見えて、生きづらさもある時代。そんな時代だからこそ「心の拠りどころ」として、中村天風の教えを意識してみてください。誰にも振り回されない、人生の「主人公」として生きるヒントが、きっと見つかるはずです。
イラスト/村山宇希 写真/InfiniteFlow-stock.adobe.com