「実は私、才木玲佳なんです」

── 実際会ったら、すぐ正体がわかってしまいそうですが…。
才木さん:それが意外と気づいていなかったみたいで。私はてっきりバレたと思って「アプリで出会ったことはあまり言わないでくださいね?」と伝えたら、思いきり不思議そうな顔をされて。実際、話をしていても、私のプロフィールをよくわかっていなかったので「本当にタイプなのか疑わしいぞ」と(笑)。
── 才木さんは、彼のどこに惹かれたのですか?
才木さん:初対面なのに気をつかわずに話せて、とにかく楽しかったんです。自然に会話が弾んで好印象でしたね。決め手は、2軒目に行ったバーで、彼のほうから告白してくれたこと。会ったその日にきちんと気持ちを伝えてくれた、その男気とスピード感に惹かれ、「じゃあ、とりあえず3か月お試しで」と(笑)。
彼とつき合うことになり、「実は私、才木玲佳本人なんです」と打ち明けたところ、彼は平静を装っていましたが、あとから聞いたら「びっくりした」と言っていましたね。そこから交際が始まって、2年ほどつき合い、2024年に結婚。一緒にいてすごく心地いいし、安心感があるんです。
── 旦那さんは、元々才木さんのファンだったわけですよね。「推しと結婚」なんて、夢のような話ですが…。
才木さん:そこまで熱心なファンではなかったと思いますよ(笑)。でも筋肉がきっかけで興味を持ってくれたのはたしかです。彼も筋トレが好きでジムに通っていて、私が出演していたアニメ『ダンベル何キロ持てる?』のMVをよく見ていたそうです。
── いわば、「筋肉が運んでくれた縁」ですね。結婚生活も2年目に入りました。どんな日々を過ごされていますか?
才木さん:最初は「本当に合わないかも」と思ったくらい、ささいなことでケンカばかりしてました。たとえば2人で一緒に観たいテレビ番組があって、約束をしていたのに、彼が自分のぶんだけビールを買ってきたりすると「なんで自分だけ?」って。悪気がないのはわかっているんです。でも自分にとっての当たり前のことが違ったりすると、その積み重ねが不満につながってしまう。だから「私はこうされたらうれしい」「これをされると嫌だ」と自分の感情を言葉にして伝えるようになりました。暮らしを共にするって、そうやって、価値観を少しずつすり合わせていくことなんだなと実感しています。
私、ケンカになると、つい理詰めで責めてしまう癖があるんです。でも、自分が正しいと思うことも相手の立場や視点から見れば、違って見えることがある。それに気づいてからは、相手に寄り添えるようになりました。そんなふうに、ふたりで暮らすなかで、感情だけでなく、自分の体にも少しずつ目を向けるようになっていきました。
ちょうどそのころ、思いがけない体の変化にも向き合うことになったんです。