ユニークな社名で注目を集める株式会社週休3日。企業に週休3日を導入するためのコンサルティングなどを行っていますが、社長の永井さんは「働き方や休みへの理解はジェネレーションギャップがある」と語ります。人口減少が進む日本で企業が生き残っていくためには── 。(全2回中の2回)
休みへの理解はジェネレーションギャップがある
── お子さんの保育園と学童のお迎えが間に合わないなど、育児と仕事を苦労しながら両立されていたと伺いました。教員の奥さまのキャリアを大事にして、よりご自身が育児に時間を割けるようにと2017年にそれまで正社員として働いていた会社を辞めて、株式会社 週休3日を立ち上げたそうですね。具体的な事業内容について教えてください。
永井さん:週休3日を企業に導入するためのコンサルティングや、週休3日で働きたい薬剤師と調剤薬局とのマッチングなどを行う「週休3日薬剤師.com」というサイトを運営しています。週休3日を導入するため、採用に関する人事へのアドバイスや、企業が抱える問題をITの技術で解決していくための生成AI(人工知能)の活用なども進めています。

── 週休3日を選択できる自治体や企業もありますが、まだまだ普及が進んでいる印象はありません。その理由はなぜでしょうか。
永井さん:人口が減っている日本で、週休3日はあくまで被害を最小に食い止める戦術で、決して勝ち戦ではないんです。企業からすると、今働いている人の休みが少なくして、少ない人数で長い時間働いてもらうほうが、採用のコストや手間を考慮するといいですよね。
ただ、時代や価値観の変化とともにそれが現実的に難しくなっているので、なんとか働く人を確保し続けるためにとる方法だと思っています。誰かの休みを補填するための採用を増やすには時間も労力もお金も必要ですので、週休3日を導入する際に人事や経営の方の腰が引けてしまうことが導入の進まない原因だと思っています。
── 週休3日への企業の理解は、経営者の世代によって異なると伺いました。
永井さん: 20代から40代半ばくらいまでの経営者さんには、子育てや家事、趣味など、働く以外の時間も人生のなかで重要なことだと考えている方が多く、週休3日の働き方に理解を示してもらいやすいと思います。逆を言うと、40代後半以降の経営者にはなかなか響きにくい制度です。
時代が大きく影響しているのですが、この世代は仕事に割いてきた時間が人生の多くを占め、家事や子育てに関わっていない方の比率が多いです。仕事以外の場所で起きている、家事や子育ての苦労をはじめとした生活の痛みというものを実感できておらず、仕事への意欲=会社に費やす時間としてのイメージをまだ根強く持っています。ただ、企業における働き方の判断をする経営側の立場にいる方が多いのもこの世代です。