「大縄を回すだけで漏れた」とママ友と笑い合い

── なかなか人に話しにくい話題だと思いますが、ひとりで悩まれていたのでしょうか。
松丸さん:まず夫に話しましたが、頻繁に相談していたのはママ友です。産後の体のことは女性同士のほうが共感し合えるし、おすすめのクリニックなど、よい情報を教えてもらえたりするので。みなさんけっこう悩んでいて「大縄跳びで、縄跳びを回すだけで跳んでいないのに漏れた!」とか、いろいろなエピソードを披露し合って。お互い笑い話にすることで、気持ちが軽くなりました。
── 同じ境遇の仲間がいると心強いですね。 職場には相談しづらいかもしれませんが、どうされていましたか?
松丸さん:仕事に集中できずに全力投球できない状態が続いたので、とくに心配な仕事のときに、スタッフさんに打ち明けることはありました。長年出演しているバラエティ番組『ゴッドタン』では、激しいダンスを踊る企画のときに心配になって、プロデューサーの佐久間宣行さんに思いきって尿漏れの相談をしたんです。自分だけで抱えこむよりも、誰かと共有できていると思うと安心感がありましたね。
── 現在も、仕事現場で尿漏れの不安がよぎることはありますか?
松丸さん:おかげさまでだいぶ改善されたので、全力で仕事に立ち向かえています。尿漏れには、骨盤底筋群(骨盤の深層にある筋肉の集合体)を鍛えることが推奨されているようで、そのエクササイズを頑張って継続しています。
── 骨盤底筋群は、おしっこを我慢するように膣に力を入れる、緩めることを繰り返すと鍛えられると聞いたことがあります。
松丸さん:私もそのように聞いたのですが、実際にやってみたらコツをつかむまで地味に難しいんです。おしっこを我慢する感覚なのですが、力の入れ方が違うと骨盤底筋ではなく、お尻の力で尿道を締めてしまい、ちゃんと鍛えられません。腹筋と違って感覚をつかみにくい筋肉なうえ、即効性がないので、モチベーションがなかなか上がらなくて…。
そこで、もともと通っている整体に相談してみたら、「逆腹式呼吸」という呼吸法のエクササイズを教えてもらいました。通常、腹式呼吸は息を吸うときにお腹を膨らませ、息を吐くときにお腹を凹ませるんですけど、これを逆にすると。つまり、息を吸うときにお腹をへこませながら、膣をギュッと締めて引き上げるように力を入れて、息を吐くときにお腹を膨らませて膣を締めた力を抜きます。お尻の力は極力使わないように注意するそうです。この「逆腹式呼吸」を教えてもらって、そのとおりやってみたら、骨盤底筋群を鍛えている感覚が掴みやすくなってきました。
── この方法で、尿漏れはだいぶ解消されたのでしょうか?
松丸さん:それが、しばらく続けてみましたが、仕事と育児で忙しい日々の中でエクササイズをサボってしまうことが次第に増え、再び尿漏れに悩まされるようになってしまったんです。そこで、昨年クリニックを受診しました。そのクリニックには、電気で微弱な振動を起こして骨盤低筋群を鍛えるためのいすがあって、これに15分ほど座ります。1か月ほどで徐々に変化を感じてきました。
── 今もクリニックに通っているのでしょうか?
松丸さん:いえ、だいぶ尿漏れが改善されてきましたし、仕事と子育てをしながらクリニックにずっと通い続けることが難しかったので、今は通っていません。ただ、骨盤底筋群は意識して鍛えないとまた衰えてしまうと聞き、以前やっていた逆腹式呼吸に合わせたエクササイズを再び自宅で行っています。以前のようにサボらずに、継続したら、ようやく習慣化できた気がします。