40代になって白髪染めをやめるも
──「隠したい」と思って続けていた白髪染めをやめたのはどうしてだったんでしょうか?
ゆうゆうさん:30代後半になって、2週間ごとに染める生活にいい加減飽き飽きしていたんです。あと、40歳ってひとつの区切りの年齢でもあるし、そのタイミングで白髪染めをやめたいとぼんやり考えていました。
でもなかなかふんぎりがつかないまま、41歳のときにYouTubeで自分より年下のグレイヘアの方をたまたま見かけて。それまで70代、80代の方と上の世代のグレイヘアの方しか見たことがなかったのですが、同世代のグレイヘアを見て「いいかも」ってシンプルに思えたんですよね。その方がとても素敵でかわいくて、目指すべきロールモデルと出会えたと希望を感じました。 その方を見ていなかったら、今でも染めていたと思いますね。自分ひとりでは、やめる勇気はなかったと思います。
── 白髪染めをやめる際に家族や友達に止められるケースもあると聞きます。ゆうゆうさんの場合はいかがでしたか?
ゆうゆうさん:私はありませんでした。夫は常に自分でやりたいことをやってみればというスタンスなので「染めるのがしんどいのなら、やめていいんじゃない?」と言ってくれて。とても感謝しています。
ただ、友達に面と向かって伝えるのは難しいなとは思いましたね。友達がまだ白髪を気にしてない場合、変に気をつかわせてしまったり、向こうのリアクションが微妙だったときに自分ががっかりしてしまったりするかもと思ったんです。そこで、友達にはグレイヘアにすることをインスタグラムで伝えることにしました。自分の気持ちを文章で素直に表現できますし、写真も一緒に見られてわかりやすいですよね。あと友達がそれぞれ投稿を見ていてくれたら、久しぶりに会ったときにもびっくりされなくていいなとも考えていました。
── SNSを使うと、ちょうどいい距離感でグレイヘアになることを伝えられそうです。ゆうゆうさんはグレイヘアに移行するために、最初にブリーチしたんですよね。
ゆうゆうさん:そうですね、伸びてきた白髪と暗い髪色のコントラストがくっきり出ると汚く見えて苦痛だと思い、白髪とも馴染む金髪にしました。ずっと白髪染めをしていてこれまで1度も金髪にしたことがなかったし、せっかくなので一度明るい色にしてから伸ばしていくことにしたんです。
── 不安はなかったですか?
ゆうゆうさん:白髪染めをやめたころはずっと不安な日々でしたね。「人からどう見られてるんだろう」「汚いと思われてないかな」と人の視線も気になりましたし、「このまま伸ばしていって自分に似合うんだろうか」とも思っていました。白髪がだんだん伸びてくると中途半端で何を着ても似合わないとも感じて、帽子をかぶったり、ターバンで伸びてきた部分を隠していました。

── 移行中、一度染めたことがあったそうですが。
ゆうゆうさん:去年の5月に友人の結婚式に参列することになったんです。そのころは白髪が10cmくらい伸びたときで、そのままだと事情を知らない他の参列者の方たちに「髪の手入れをしてない」と思われて、新郎新婦にも迷惑がかかると思いました。そこで、美容院でヘアマニキュアで茶色に染めてもらいました。
数週間で落ちると言われていたんですがなぜか時間が経ってもまったく落ちなくて…。改めて美容院でマニキュアを落とす処理をしてもらったところ、染めたところが濃いオレンジ色になってしまったんです。
── それは驚いたのでは…。
ゆうゆうさん:そのときは意図しないことに心が折れて、グレイヘアをあきらめて、いっそ全部染めてしまおうかとも思いました。でも、夫から「グレイの髪色はゆうゆうにしかない個性だから、もう少し頑張ったらいいのに」と励まされ持ち直しました。普通に考えると、男の人にとっては、奥さんは白髪がなくて見た目が若いほうがいいと思うんです。でも、彼は私が苦しんできた様子をずっと見てきているからか、私が心地よく生きられる方をあと押ししてくれました。
── 旦那さんの愛を感じます。そのあとはどうしたんでしょうか?
ゆうゆうさん:人間って不思議なもので、最初はごちゃごちゃしていて嫌だった髪色も時間が経つとだんだん見慣れて「これもいいな」と思えるようになっていきました。そこから伸ばして白髪が耳上ぐらいまで伸びたときには、ようやく完成形が想像できるようになってテンションが上がりましたね。今はまだオレンジの部分が少し残っていますが、ほぼグレイの状態まで伸びました。