人は自分のことなんて気にしていないから

── グレイヘアに移行するなかで、ファッションやメイクで変わったことはありますか?
ゆうゆうさん:自分の好きな服を着てないとテンションが上がらないので、ファッションはそれまでと変わっていません。でも、移行中に白髪を隠すのにキャップなどの帽子を使うようになって、そういう意味ではおしゃれの幅が広がりました。今は自分を実験台にしてグレイヘアにどんなファッションが合うのか研究中です。最近はコーディネートが難しい紫色を服やアクセサリーで取り入れると合うことや、シルバーアクセサリーが似合うことがわかってきました。
── 昔からヘアアレンジが好きだとおっしゃっていましたが、グレイヘアでのヘアアレンジもたくさん投稿されていますね。
ゆうゆうさん:グレイヘアになる前は、分け目で白髪が目立つので、染めた直後しかきれいな状態で見せられなくてモヤモヤがずっとありました。でも、今はえりあしやもみあげなど黒髪が少し多いところを活かして「今日はこっちで分けて見せてみよう」とバリエーションを出せるのでとても楽しいです。ベースがグレイでもかわいくなれることをSNSで発信していきたいという目標もできました。
── 若いころから白髪に悩んできたからこそ、完成に近づいた今はいろんな思いがあると思います。
ゆうゆうさん:白髪を隠さなくてよくなったので、本当に楽になりましたね。白髪がマイナスポイントではなくなり、ここからはグレイヘアをベースにおしゃれやヘアアレンジで自分だけの「きれい」を積み上げて更新していくだけだなと思っています。あと、この年でこんな色の髪の人は他にいなくて、個性的でいいなと感じるようにもなってきました。
── それまでは「普通」でいたくて白髪を染めていたのに、気持ちが変化したんですね。
ゆうゆうさん:若いころからみんなと一緒が心地よかったので、グレイヘアで個性を出すことはとても勇気のいることでした。でも移行中、友達や初めて会う人と会うときに髪を見せるのか隠すのか悩むなかで、人は自分のことなんて気にしていないんだなと気づいたんです。また、試行錯誤して過ごしているうちに素の自分を認められるようになり、人と自分を比較することが減って、人の目が徐々に気にならなくなりました。自分で自分を「いい」と思えることほど、強いものはないと感じています。
取材・文/阿部祐子 写真提供/ゆうゆう