完全オフの日を設けて「時間の使い方が変わった」

── お話ししていても、お元気そうに見えます。入院前と比べて、変化したことはありますか?

 

未知さん:私はじっとしているのが嫌いで、オフの日も外出するタイプです。でも、間質性肺炎になってからは、月に1度、自宅で何もしない日を設けています。その日は、完全オフモードで家事もせず、だらだら過ごします。人とも会わず、自分のペースでゆっくり休む日。朝ゆっくり起きて、リビングに座り、ボーッとテレビを見るので、「今日は完全オフの日なんだな」と家族も察して、何も言ってきません。これまでほぼ休みなく働いてきたので、これは大きな変化ですね。

 

── 家族公認なんですね。完全オフの日を設けてよかったことは?

 

未知さん:心身が休まるのはもちろん、ゆっくり過ごしていると、午後2時くらいには何かをやりたくなるんです。そこで次にやりたいことをリストアップすると、すごくワクワクします。これは、いい作用だと思います。また、病気を経験してからはムリをしすぎない生活を意識するようになりました。以前は、仕事帰りにみんなとご飯を食べに行っていましたが、「まだ数日間舞台が続くのでまっすぐ帰宅しよう」、友だちと会っても「あまり遅くまで外出しているのはやめよう」という判断ができるように。

 

いっぽうで、会えるときに人と会っておこう、という気持ちも強くなりましたね。とくに、中高時代の同級生とよく会っています。病気を経験した友人もかなりいますし、先月会ったばかりなのに亡くなった、というケースもありました。あんなに元気だったのに亡くなるなんて、人間ってわからないものですし、自分もいつそうなるかわかりません。ですから、以前は「いつでも会える」「まぁいいか」とあと回しにしていたことも、早めに実現するようにしています。