私の前で泣き言を言わなかった夫には感謝しかない

一時退院中に気分転換で出かけた群馬県ロックハート城にて
一時退院中に気分転換で出かけた群馬県のロックハート城にて

 ── 小学4年生の娘さんは元気に学校へ通えていたのですか?

 

小澤さん:次女の場合、学校生活は問題なかったのですが、中学受験を見すえてちょうど塾に通い始めたころだったんです。中学受験は長女で経験しており、送迎や食事、スケジュール管理など、親が伴走していくことがどれだけ必要かわかっていたので、正直、私が半年も入院しているようでは「あきらめたほうがいいのではないか」と夫に提案しました。夫はそもそも中学受験を積極的にさせたいタイプではないので、賛成するかと思ったのですが、「受験をやめず、とりあえず塾も続けてみよう」と。

 

病気が原因で受験をやめるとなったら、私が責任を感じてしまうし、病気を理由に何かを諦めさせたくないという思いが強かったようです。そのおかげで何とか中学受験を乗り越えることができ、次女は現在中学1年生です。あのとき、夫が続けようと言ってくれなかったら親子で受験を諦めていたと思いますし、そのひと言は今でも思い出します。

 

── 旦那さんはどんなご様子でしたか?

 

小澤さん:入院中、夫は一度も「つらい」「大変だ」と私に言ったことはなかったんですけど、最近になって聞いてみたら、「どのくらいの確率で生きられるか調べて落ち込んだし、命が助からないんじゃないかと思った」と答えていました。仕事もあり、家事や子育ての全部を背負っていたので相当しんどかったようです。特に長女が学校へ行けない期間は大変だったと思います。それでも私に泣き言を言わなかったところは、やっぱり救われましたね。夫には本当に感謝しかないです。