アイドル時代に知り合った夫「最初は約束をすっぽかされ」
── 芸能活動は順調でしたか?
夏目さん:当時はモバゲーやmixi、snsのコミュニティが盛んなころで、「ライブに出演したい人募集!」なんて告知がいっぱいあったんです。まずはそこに飛び込んでいきました。でも当初はアイドル活動で収入を得られない時期が続いて、アルバイトをしながらの日々でした。5年くらい経ったころ、アニメのキャンペーンガールのオーディションに受かり、そこでファンがようやくついてきた感じです。
ただ10代のころから難病の自己免疫性溶血性貧血(AIHA)を患っていて、20代でたびたび再発しては治療のための入院を繰り返し、そのたびにアイドル活動は自粛しなければなりませんでした。さらに23歳のときには子宮頸がんも発症するなど、ずっと病気との闘いが続きました。大変な経験でしたけど、がんを乗り越えたアイドルということで、メディアの人がたくさん報道してくれました。
── 闘病しながらの芸能活動を続けるうえで、支えになった人はいますか?
夏目さん:夫です。私ががんになったことで、彼は「この人を支えなければ」と思ったらしく、そこから同棲を始めました。当時はまだつき合って半年でした。私はアイドル活動をしながら居酒屋でアルバイトをしていて、お客として来た彼と出会ったのがきっかけです。私が「明日ライブやるから来てよ」と言ったら、彼も「行くよ!」と言って、LINEで連絡先を交換しています。
でも、ライブに彼は現れませんでした。「友だちとの用事が長引いて、行けなくなった」という謝罪のLINEが来たけれど、私は頭にきて既読スルーしていました。すると翌朝、謝罪の言葉とともに彼から「今から車で海に行く」と言われたので、「一緒に行きたい」と伝えました。一度、既読スルーしたのに、へこたれずにLINEをしてくれて、そこに彼の熱意を感じてつき合うようになりました。もちろん、夫の存在は非常に大きいものですが、当時からずっと応援し支えてくださったファンや仲間、友人家族、SNSで応援してくれるみんなの存在もまた、かけがえのない支えでした。

とはいえ、アイドルに恋愛は御法度です。だから、彼がいることはずっとファンには内緒にしていました。彼と結婚したのは昨春で、2014年から交際して、つき合い初めて10年が経っていました。彼のお父さまが亡くなり、葬儀などで周りの親戚から「結婚しないの?」と言われたのがきっかけでした。私もアイドル活動しつつ、政治家として2期目を迎え、そこで踏んぎりがついた感じです。
ただ、結婚をしたことで離れたファンがいるのも事実です。イベントにいつも一眼レフを持ってきて私をずっと撮影していた熱いファンの方がいたのですが、結婚後は、いっさい来なくなりました。それはそうですよね。