運命の人との出会いは、意外なことから始まるのかもしれません。「約束をすっぽかされた」ことから歯車が回り始めたのは、10代から難病を抱えてきた夏目亜季さん。結婚までの10年の道のりは、まるでドラマのようなストーリーでした。(全3回中の3回)

AKBを見てアイドルを志すように

── 東京都荒川区議会議員の夏目亜季さん。もともと議員になる前は、アイドルとして活動していました。小さいころからアイドル志望だったのでしょうか?

 

夏目さん:小さいころはアイドルになりたいとは、まったく考えていませんでした。私が子どものころは浜崎あゆみさんが人気で、キラキラしすぎて圧倒的な存在。芸能界は自分とかけ離れた世界だったんです。でも高校生のころ、AKB48が出てきたり、秋葉原のオタクカルチャーが流行りだして。クラスの片隅にいそうな女の子がアイドルとして歌って踊っているのを見て、「自分もやれるかも」「なんか楽しそう」と思ったのが始まりでした。
 

夏目亜季
議員になる前はアイドルとして活躍

高校卒業後は歯科助手として働いています。ただアイドルになりたい気持ちは変わらずあって。生まれは京都(舞鶴)で、東京への憧れがありました。上京したのは20歳のときです。2年ほど歯科助手として働き、蓄えが少しできたころでした。「いま動かないと、一生このまま」という危機感もありました。思いついたら行動は早かったですね。まず住む家を見つけようと、仕事の休みの日に夜行バスで東京へ行き、アパートを決めました。