がんや難病の当事者として「講演するより政治家へ」
── 出馬されたのは28歳のときでした。政治活動に関心をもったきっかけは何だったのでしょう。
夏目さん:子宮頸がんの寛解後、がんの活動をしているNPOに参加しています。学校に行っては、「がんの検診を受けましょう」「ワクチンを受けるのが大事です」と、講演活動を続けました。そこで政治家のみなさんと関わることが増えていき、政治の世界を少し知ることができました。出馬のいちばんのきっかけは、堀江貴文さんとの対談でした。ワクチンの重要性で盛り上がり、国や行政に働きかけないといけないという話になって。講演をしているだけではなく、政治家になったほうがワクチンの重要性をみなさんにダイレクトに伝えられる、と思ったんです。
── 荒川区議会議員として、現在どんな活動をされているのでしょう。
夏目さん:私の政治家としてのいちばんのテーマはワクチンの啓蒙活動で、難病の認知にも取り組んでいます。4年くらいずっと訴え続け、難病患者さんが通院に使えるタクシーチケットを用意することができました。自分の経験が政治活動に反映でき、そういう意味でもすごくやりがいがあります。

── これからの目標をお聞かせください。
夏目さん:10代のころに難病を発症し、ずっと再発を繰り返してきました。さらに子宮頸がんになり、子どもを産むこともあきらめました。本当に波乱万丈で、そのぶんこれから病気で停滞していた人生の回収をしていきたいという気持ちでいます。
私自身は昔から人と人との調整役が得意で、それをいかせたらと思っています。いま世界中で国同士がケンカしているじゃないですか。それをうまくつなぐ役にやりたいという野望があって。これからも政治家として活動をずっと続けていきたいと思っています。夢は大きく、世界平和を目指しています。
取材・文/小野寺悦子 写真提供/夏目亜季