25歳になってSLEと判明「ステロイド剤で顔が…」
── 何度か再発されたとお聞きしました。
夏目さん:22歳、25歳、28歳と、3度再発しています。高3で発症して以来、薬も毎日飲んでいたし、病院で定期的に検査を受けているのに、何かのタイミングで急に再発するんです。それが何なのかはわからないけれど…。22歳で再発したときはありえないくらいのしんどさで、発熱もありました。ステロイドで治療しましたが、貧血はなかなか治りませんでした。地元の舞鶴から上京し、アイドル活動を始めたばかりのころです。病気の症状が強く出ているときは、無気力で何のやる気もおこらず、鬱のような感じになって、アイドル活動も積極的にできない状態でした。
25歳で再発したときは、病院に行くと難病の全身性エリテマトーデス(SLE)と診断されました。SLEはさまざまな自己免疫疾患の総称で、そのひとつにAIHAも含まれています。高3でAIHAを発症したとき、「SLEの疑いがある」とお医者さんに言われていたけれど、当時はまだはっきりわかっていなかったんです。ただこのときは、SLEの症状でもある赤い皮膚症状が頬に出たり、リンパの腫れがあったり、関節が痛み始めたりと、貧血以外の症状も出てきたことで、SLEと判明しました。
再発ではこのときがもっともつらかったですね。というのも、赤血球の数値を示すヘモグロビンが4.9まで落ちてしまって、かなり低い数字です。2か月ほど入院生活を送り、ステロイド剤を大量に投与し、飲み薬もかなり多めに飲みました。入院中はしばらく車いす生活で、病院内も限られたフロアしか移動できない状態でした。といういのも、ステロイド剤は大量投与すると身体にストレスを与えるため、免疫力がすごく落ちるんです。

── ステロイドの投与で、副作用などはありましたか?
夏目さん:ムーンフェイスになりました。ステロイドの代表的な副作用で、身体全体が太るのではなく、顔だけが満月のように膨らんで赤みを帯びたような状態になります。症状が悪化すればするだけ、投薬の回数を重ねれば重ねるだけ、副作用はひどくなっていきます。当時はアイドル活動もしていたので、これはつらかったですね。顔が膨らむと、すごく太って見えてしまうので…。
いまほど病気に対する理解もなく、情報もあまり知られていない時代です。隠しているより自分から言ったほうがいいと思って、病気を公表しました。ファンは理解してくれていたと思います。でも、ほかのアイドルと一緒にイベントに出るのはやはり気がひけて、当時は私単独のファンイベントを中心に活動していました。