「疲れた」「だるいなあ」と感じることは誰にでもあります。しかし、それが難病のシグナルだったのは、中学生のときから体の不調を抱えてきた夏目亜季さん。ステロイド剤で顔がパンパンになることも。いまも治らない病気と向き合いながらの日々を送っています。(全3回中の1回)

「疲れやだるさ」思いもよらない病気とは知らず

── 元アイドルで東京都荒川区議会議員の夏目亜季さん。現在2期目を迎え、難病の周知と理解に取り組んでいます。もともとご自身も難病を患い、10代から病気と闘ってきたそうですが、どのような症状だったのでしょうか?

 

夏目さん:中学生のときからすぐ疲れたり、だるさを感じることがありました。でも、当時はそれが病気によるものとはわかってなくて。高校1年生のとき、学校の健康診断で血液検査に引っかかり、鉄欠乏性貧血と言われました。体内の鉄分が不足することで貧血が起こる病気で、そのときは造血剤の注射で治療し、体育は見学するようお医者さんから言われて。翌年の健康診断でも血液検査に引っかかり、注射で治療しています。

 

明らかに体調がおかしくなったのは高校3年生の夏でした。感じたことのないようなだるさが続いたんです。友だちはみんな「夏だから暑くてだるい」と言うけれど、そのレベルではありません。全身に重りがのっているような、猛烈なだるさです。

 

クリニックに行くと、「脾臓が腫れている」と言われ、より詳しい検査をするようにと大病院を紹介されました。そこで白血病を疑われ、背中から針を刺して髄液をとって検査をしています。このときがいちばん怖くて、結果が出るまでずっと怯えていました。ドラマ『世界の中心で、愛を叫ぶ』がちょうど流行っていたころです。主人公の女の子が高校生のときに白血病にかかって亡くなるストーリーで、ヒロインに自分を重ねて妄想し、死の恐怖と闘っていました。

 

夏目亜季
ギャルだったという高校時代に親友と

検査の結果、白血病ではなく、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)だとわかりました。白血病でないと聞いて、ホッとしましたね。とはいえAIHAは赤血球を破壊する病気で、それにより貧血を起こします。ずっと鉄欠乏性貧血だと思っていたけれど、だるさなどの体調不良はAIHAによるものだったのかもしれません。このときはかなり症状が重くて2、3週間ほど入院し、ステロイドを大量に注射して治療しています。