検査のたびにビクビク「いまも死の恐怖はある」
── 初出馬は28歳の再発の直後で、見事に当選。女性最年少議員として話題になりました。
夏目さん:25歳のときの再発でステロイド剤を大量投与して、副作用で顔がパンパンになり、元の顔に戻るのに2年近くかかりました。ようやく副作用が収まったと思ったころ、熱が出て、病院で再発を告げられました。それが28歳のときです。このときは副作用がイヤで、お医者さんにお願いして薬の量を半分に減らしてもらっています。ヘモグロビンの数値もそこまで悪くはなく、お医者さんも減薬をOKできるレベルだったのだと思います。薬の量を減らしたといっても、多少の副作用は出てきます。だから、選挙活動中の写真を見ても、顔がパンパンなのがわかります。
高3で私のステロイド人生が始まりました。飲み薬も欠かせず、今日の今日まで薬を飲まない日はありません。これからも病気とはずっとつき合い続けていきます。いつも検査をするたびビクビクして、死の恐怖とも闘ってきました。死を身近に感じていたぶん、いまは生きていられるだけ幸せだなって気持ちでいます。
…
難病を患っている夏目さんですが、23歳のときには不正出血が続き、子宮頸がんも判明します。医師から告げられたのは、「妊娠、出産は難しい」という夏目さんにとっては非情な知らせでした。しかし、母や夫の支えもあり、治療をはじめた翌年の2015年には寛解。そのときから始めた子宮頸がんに関する啓蒙活動が、議員活動の原点になったそうです。
取材・文/小野寺悦子 写真提供/夏目亜季