おしどり夫婦として有名な、ものまねタレントの清水アキラさん。47年の結婚生活を振り返り、「なんでも自分のせい」と考えることが大切だと語ってくれました。(全3回中の3回)

夫婦一緒にいるなら「しゃべらないのはよくない」

── ご結婚されてから47年が経つそうですね。おしどり夫婦のイメージがあります。

 

清水さん:若いときと違って今はもうケンカもしないね。口ゲンカになると言わなくていいことまで言っちゃうからよくないなと思う。

 

清水アキラさんと妻のめぐみさん
「ほっぺにチュ!」ウェディングドレス姿の妻・めぐみさんと清水アキラさん

お互いの大切な時間なんだから、一緒にいるなら楽しく過ごしたほうがいいよね。俺はあんまりムカつくと黙っちゃって、そこから2〜3日はしゃべらなくなるからさ。謝る、謝らない、どっちが悪いとかじゃなくて、一緒にいるのにしゃべらないっていうのはよくないと思う。

 

── 意地の張り合いになってしまいますもんね。

 

清水さん:そうなんだよ。たとえばちょっと雰囲気が悪くなりそうなときも、「ねぇ、あれってどこにあるかな?」「冷蔵庫の奥じゃない?」なんて話しかけて、なるべくすぐ日常に戻る。尾を引くのはダメだね。それに、その人といて本当につまんないとか、いがみあって暮らしているくらいなら、一緒にいないほうがいいと思う。一緒に笑って、楽しい明日のことを考えながら過ごしたほうがいいよね。

 

── 熟年離婚が増えているということが話題にあがります。

 

清水さん:熟年離婚についてよく聞かれるんだけど、熟年だから離婚してもいいってことはないよね。それに、離婚に熟年も若年もない。離婚するって、約束を守らないってことだと思う。結婚したときの約束をお互いに守っていくのが結婚生活。「これからふたりで幸せになります」って、友達や親戚からお祝いしてもらって、ご祝儀までいただいて。結婚式って、みんなの前で約束することだからさ。俺は結婚するときに「一生幸せにする」って妻に約束したから、簡単に破るわけにはいかないし、破りたくないよね。

 

でも、ケンカしかしないなら別れたほうがいいと思う。それはお互いに努力する気がないってこと。特に子どもが巣立ったあととか、環境や条件が変わるときに考えやすいよね。結婚って、努力していかなきゃ続かないと思う。一生この人といたら、自分は素晴らしい人間になれるだろうと思わないなら、一緒にいる必要はない。でもそう結論づけるなら、自分に見る目がなかったと思ったほうがいいね。「あの人が悪かったから離婚した」、そうじゃなくて、「自分がそこまで考えられる人間じゃなかった」って。

 

── 相手は変えられなくても自分は変わることができる、と言いますね。

 

清水さん:そうそう、人のせいにするのはダメだよね。「うちのお父さんが、何言っても聞いてくれないから嫌だわ」じゃなくて、聞いてもらうためにどうしたらいいのか。自分の考えを変えていかないと、解決するものもしない。なんでも自分のせいだと思って考えないとね。