学校と保護者間の連絡の現状
文部科学省は、2019年に全国の児童・生徒にひとり1台、PCやタブレットを利用して教育の質を向上させるGIGAスクール構想を打ち出し、2021年から本格的にスタートさせました。授業中の学習環境がデジタル化していくなか、学校と保護者間の連絡はデジタルとアナログの両方を採用している学校が大多数だそうです。
「より重要度が高そうなもの、参観日の連絡や以前あった家庭訪問のお知らせ、給食の献立表はアレルギーを持つお子さんへの配慮だと思いますが、アプリ配信とプリント配布とどちらもあります。PTAの旗当番に関しては完全にアプリ連絡なのですが、それ以外はあまりデジタル化が進んでいるとは思えないですね。でもこれも子育てをしているなかで慣れてしまったという感じもあります」(前述 福岡市在住 花村都さん・仮名)
連絡網アプリ「マチコミ」の開発を担当するドリームエリアの田山大介さんは、学校と保護者間の連絡のすべてをデジタル化するのではなく、あえてアナログを採用したいという現場の声もあるといいます。
「ランドセルのなかでグチャグチャになったプリントをご覧になった経験がある保護者の方もいらっしゃるかと思いますが、現場からは、生徒に配布したプリントを親に見せて、承認をもらってまた戻すという一連の流れも教育の一環だという考えが聞かれます。
保護者への連絡事項に関しては、弊社のようなアプリサービスを使ってPDFでデータを送付しながら、お子さんにもプリントを配布するというように、デジタルとアナログを併用していらっしゃる学校が多いと感じています。弊社は、ITの技術で子どもの安心安全を守るということをポリシーとしていますので、水泳などお子さんの安全に関わる場面においてより安心して取り組めるように、教員や保護者の負担を減らす一助になればと思っております」
取材・文/内橋明日香 画像提供/ドリームエリア