インドの国民食「ビリヤニ」のおいしさに20代でハマり、31歳の若さで予約の取れないビリヤニ専門店『ビリヤニ大澤』を立ち上げた店主の大澤孝将さん。ビリヤニが縁で結ばれた奥さんもやはり、とてつもなく食に貪欲なのだとか。初回のデートも普通では考えられない場所だったようです。(全2回中の2回)

ビリヤニにしか興味がない妻「逆にカッコよかった」

── 奥さんは最初、お客さんとして来店されたそうですね。

 

大澤孝将
「ビリヤニは炊きたてがいちばん」と話す大澤さん

大澤さん:今の店の前にインド料理店でイベントをやったときに来てくれたのをなんとなく覚えています。当時、材料費だけもらってビリヤニを振る舞う「ビリヤニハウス」を自宅のシェアハウスで立ち上げていたんですが、イベント後にそっちも予約してくれました。そのときはコロナでキャンセルになってしまったんですけど。

 

── じゃあ、大澤さんのファンということですか?

 

大澤さん:「僕が作るビリヤニに先にほれた」って言っていました。妻は食への本気度が半端じゃないんですよ。今の店を始める際にクラウドファンディングを立ち上げたんですが、支援額を設定する際にいろいろメニューを用意して、知り合い向けに10万円の高額メニューを作ったんですね。食事券11万円分と、予約取り放題っていう内容なんですが。知り合いでもそれほど多くないその10万円コースを、妻は支援してくれていたんです。

 

── 20代の女性が10万円を支援するとは。よほどの気持ちがあったんでしょうね。

 

大澤さん:でも「大澤に会いたい」みたいな雰囲気は微塵もありませんでした。僕には特に興味はなかったらしいです(笑)。それに、若い女性はたいていグループで来るんですけど、妻は毎回ひとりで来るうえにフルサイズを食べるんですよ。

 

── フルサイズって結構、量が多いんですよね。

 

大澤さん:大盛りですよ。めちゃくちゃガタイのいいアメリカ人がレギュラーサイズでしたから。それも逆に、そんなわけないでしょって思ったけど(笑)、日本人女性がフルサイズはすごいなと。頼むのも、肝が据わった方が多いですね。今日はもうビリヤニだ、みたいな。そこがすごくカッコいいなと思いました。