「肥後もっこす」な夫が診断結果を伝えられて
── 精密検査を前に、もしかすると深刻な病気かもと感じていたのでしょうか?
えみりィーさん:「血液腫瘍内科」「骨折」などをネット検索するといろんな病名が出てくるし、もしかすると深刻なのかもと思いつつ、心のどこかでは「まさか」と考えていました。骨粗しょう症くらいだろうと思っていたんですよね。肋骨骨折が血液のがんにつながるなんて1ミリも考えなかったし、「多発性骨髄腫」と診断を受けても、初めて聞く病名なので、はてなマークだらけでした。でも病名に「がん」とついているだけで、ものすごい病気をしてしまったんだって…。

── 想像しなかった診断にショックを受けたんですね。おひとりで話を聞かれたんですか?
えみりィーさん:夫が一緒でした。午前中に先生から病名を聞いて、午後からまた骨髄の液をとる検査をするので、いったん夫婦で車に戻ると、夫が「わーっ」て声を出して泣き出したんです。そんな姿、いままで見たことがなかったので、ただごとではないと感じました。じつは、夫は中3のときにお母さんをがんで亡くしているんですよ。当時、夫の妹はまだ小2でした。だから、うちの子たちと重なる部分もあり、がんだと言われて「また同じ思いをするのか」と…。もともと、夫はすごい「肥後もっこす(熊本の方言で、まっすぐで頑固者)」で、人前で泣くなんてありえないタイプ。そんな夫がこんなに泣くなんて、私がもっとしっかりしなきゃ、元気でいなきゃと強く思いました。
2人で声を出して泣いた後は少し冷静になり、これからのことを考えられるようになりました。すぐに治療に専念するのか、セカンドオピニオンをお願いするのか、子どもたちに話すのかを車の中で話し合いました。
── 大きなショックがあるなか、夫婦で今後の話し合いができたんですね。
えみりィーさん:午後の検査を受けて、病名がさらに確実なものになりました。夫はお母さんの病気の件もあり、医療をあまり信じていなかったんです。でも、私の主治医が目をしっかり見て「まかせてください」とおっしゃる様子に、「あの先生ならまかせられる気がする」と言いました。だから、セカンドオピニオンは受けずに、早く治療を開始しようとそこでお願いしました。