朝、目が覚めると肋骨が痛かった。九州地方で活躍するタレント・えみりィーさんに血液のがんが見つかったのはそれから3か月後のことでした。診断結果を受けて夫婦で車に戻った瞬間に夫は── 。(全3回中の1回)
肋骨の痛みにはじめは「寝違えたのかな」と思った
── 子育てしながら、熊本と福岡を中心にテレビの情報・バラエティ番組や、ラジオパーソナリティ、地元の雑誌・CMでのモデルなどとして活躍するえみりィーさん。2019年に病気を経験しましたが、ご自身の体調の変化に気づいたのは、何がきっかけですか?
えみりィーさん:ある日、朝起きると肋骨が痛かったんです。重いものを持とうと力を入れたり、咳をするとズキッと鋭い痛みが何度も走りました。寝違えたのかな、と思って整形外科に行ったら、肋骨が折れていました。私は出身地が海のそばで、毎日魚を食べて育ったので骨には自信があったし、骨折したことがなかったので驚きました。でも、3人出産して骨がもろくなったのかもしれない、とくにいちばん下の子がまだ2歳で、ソファーの上からポンと飛んでくるのを受けとめたりするので、そのときに折れたのかもしれない、と思いました。
![えみりィー](https://chanto.ismcdn.jp/mwimgs/b/e/780w/img_bed162f7b12753ecb95abd2e362d16c4971647.jpg)
── それまで、健康診断などで指摘を受けたことは?
えみりィーさん:私はフリーのタレントなので自分で健康診断を受けるのですが、健康にいろいろと問題が起こるのは40歳以上のイメージがあって、それまではほとんど受けていませんでした。この肋骨骨折で病院に行ったのは39歳のときのこと。子どもは中2、年長、2歳。健康診断を受けようと考えていた年齢である40歳目前のできごとでした。
── 30代だとまだまだ若くて大きな病気とは無縁なイメージがありますよね。肋骨の骨折は、その後どのような経過をたどりましたか?
えみりィーさん:医師からは2、3週間で痛みがやわらぐと言われましたが、まったく治らず、逆に痛みが増していくばかり。コルセットを巻き、痛み止めを飲んで仕事をしていました。やがて、肋骨をかばうために腰を痛め、最終的には反対側の肋骨まで、洗濯物を干すときに折れてしまったんです。整形外科で「短期間であちこち折れるのはおかしいので、総合病院で診てもらいましょう」と言われて検査を受け、そこからさらに大きな病院で精密検査を受けることになりました。
── その状態での仕事はつらいですね。最初の骨折から精密検査までは、どのくらいの期間がかかりましたか?
えみりィーさん:3か月くらいです。大きな病院への紹介状の宛先が「血液腫瘍内科」だったので、「整形外科から、どうして血液腫瘍内科へ?」と不思議に思いました。医師からも「次は、家族と一緒に受診してください」と告げられ、いつもと違う空気を感じました。