『ドラえもん』の収録が救いに
── 仕事への影響はいかがでしたか?
かかずさん:その時期は毎週『ドラえもん』の収録があったので、平和な世界観に救われていた気がします。
仕事に行く時間があり、声を出す時間があり、誰かに会う時間がある。つらくても、まわりが普通に接してくれたのはありがたい環境でした。
当時の私は、『ドラえもん』に救われ、支えられていました。
リハビリと生きる糧に
── 最近は絵本を出版して、読み聞かせもしていますが、きっかけを教えてください。
かかずさん:夫を亡くした後、気にかけてくださった先輩が「読み聞かせ会があるけど行ってみたら?」と声をかけてくださり、子どもを連れて行ってみました。
そこで出会った絵本(恐竜の家族についてのお話)に心揺さぶられるなか、子どもたちは真剣に、時にはとても楽しそう。こういう空間はとても素敵だなと。
その後、会のお手伝いをさせていただき、少しずつ読み聞かせをする側にも。当時の私にとっては、心のリハビリに近かったのかもしれません。
幼いころの楽しい経験は、大人になり、もしもつらい壁が立ちふさがっても、そこを乗り越えていける糧になるのではないかと思いました。
手軽に行える日本式のベビーマッサージタッチケアセラピストの資格を取得したのは、日ごろから簡単に触れあって、共に幸せな時間を過ごしてもらいたいなと思ったからです。