妻に対してふと「ごめんね、ありがとう」と言うと…

20回目の結婚記念日の直前、妻の母が亡くなったそうです。急に倒れてから1か月、意識を取り戻すことなく逝ってしまったため、妻の悲しみは大変なものでした。

 

最後は妻がまったく睡眠もとらずに、そばにい続けたことも彼は知っています。

 

「義母が亡くなったため、結婚記念日には何もしませんでしたが、ふっと『いままでずっとひとりで頑張らせてきたなと思ってる。

 

いろいろごめんね、ありがとう』と言ったら妻が号泣したんです。義母のこともあってふと出てきた言葉なんですが、妻の涙を見て実感しました。

 

妻はこれまで必死だったんだ、家族のことをいつも考えて頑張ってきたんだと」

 

その晩、夫婦はゆっくり話をしたといいます。母親の思い出を妻は淡々と語りました。そして夫婦になってからの時間についても。

 

妻は「あなたがあまりにも家庭に無関心に見えて、離婚を考えたこともあった」と白状しました。

 

「それを聞いてびっくりした。仕事が多忙で家庭を顧みることができなかった時期も、妻からはひと言もありませんでしたからね。

 

ツラいならツラいと言えばいいのに…。言ってくれなければわからないことは夫婦といえどもあるのだから。妻にはそんな話もしました。

 

妻は『言ってもわかってもらえないと思っていた』と。夫婦の信頼関係が構築されていなかったのではないか。20年経って初めて、僕自身も反省すべきところが見えてきた気がします」