トルコの伝統菓子「バクラヴァ」は、トルコをはじめ中東や地中海沿岸地域などで広く親しまれているスイーツです。日本人にはあまり馴染みのないものですが、明日、トルコの老舗菓子店が、バクラヴァの専門店を東京・銀座の百貨店にオープンします。コロナ禍の今、日本が海外第1号となった理由とは──。
ポップアップでは長蛇の列!バクラヴァ人気と知られざる食べ方
店舗のオープンに先駆けて今月9日、トルコ大使館大使公邸で行われたオープニングイベントでは、バクラヴァ作りのデモンストレーションが行われました。
1843年創業、トルコでは“バクラヴァの王様”と称される老舗菓子店「カラキョイ・ギュルオール」の5代目で、職人でもあるナーディル・ギュルさんは、バクラヴァを通してトルコについても知ってほしいと話したうえで、美味しいバクラヴァの食べ方についてレクチャーしました。トルコ在住歴のある筆者も食べ方を聞いたのは初めてのことです。
バクラヴァは、砕いたピスタチオやクルミを挟んだ40層もの薄いパイ生地を重ねて焼き上げ、甘いバターシロップをたっぷりとふりかけたトルコの伝統菓子です。
オスマン帝国時代に広まり、現在でもトルコをはじめ、中東や中央アジア、地中海沿岸の地域などで広く親しまれていて、ディズニー映画「アラジン」の挿入歌「Friend Like Me」の英語版の歌詞にも登場します。
トルコの老舗菓子店「カラキョイ・ギュルオール」が手がける海外進出ブランド「ナーディル・ギュル」は、これまで日本各地でバクラヴァ販売のポップアップイベントを行ってきました。常設店をオープンする理由について、松屋銀座の担当者はこう話します。
「去年から2度にわたって開催したポップアップイベントでは、たいへん多くのお客様に喜んでいただいた実績があり、常設出店に至りました。
これまで日本でナーディル・ギュルのバクラヴァが購入できるのは、オンラインや各地でのポップアップイベントに限られていましたが、SNSでの情報をもとに、ポップアップの会場では長蛇の列ができることもありました」(松屋銀座 担当バイヤー)
コロナ禍でのスイーツ需要にも、バクラヴァは適している理由があるそうです。
「すべて手作業で作られ、細部にわたり現地と同じ味を提供している商品です。素材もトルコ産の高品質な原材料を使用しておりますし、常温保存も可能で、手土産需要のニーズに応えられる特性も魅力のひとつと考えています」(松屋銀座 担当バイヤー)