もうすぐお子さんが小学校に上がるとなると、成長を喜ぶ一方で、新しい環境に適応できるのかと不安を覚える方も多いのではないでしょうか。就学前の準備について、教育家・見守る子育て研究所(R)所長の小川大介先生がアドバイスします。

 

「『45分座っていられる気がしない』小学校入学を控えたわが子への尽きぬ心配」P1
「『45分座っていられる気がしない』小学校入学を控えたわが子への尽きぬ心配」P1

【Q】きちんと椅子に座っていられる気がしない…

来年4月から小学校に上がる男の子がいます。通信教育などで毎日少しは座る習慣づけはしていますが、とても半年後に45分間という長時間、座っていられる気がしません。

 

保育園では基本的に椅子に座らせる幼児教育的なことはしませんし、小学校受験の幼児教室などにも行っていません。小学校入学まであと半年ですが、45分間椅子に座るようになるための効果的な方法があれば教えてください。

入学してすぐに45分間座っていられなくても

ご相談の内容から、丁寧にお子さんのことを見ていらっしゃる、すてきな親御さんだと感じました。ご相談者様のおっしゃる通り、入学してすぐ子どもが45分間も座り続けるのは難しいです。きちんと見守っていらっしゃるからこそ、ご相談者様はそのことにお気づきになったのだと思います。

 

小学校の新入生が座っていられないのには、主に3つの理由があります。

 

1つ目は、体幹が育っていないこと。座り続けやすい姿勢を自分で見つけることができていないのです。

 

2つ目は、好奇心の対象があるということ。

 

そして3つ目は、姿勢が崩れたときの自制心が育っていないということが理由として挙げられます。

 

ご相談者様は、お子さんを見守るなかでこうした3つのことが感じられたから、入学後が心配になったのではないでしょうか。

 

たとえば、お子さんの好きなことを大事になさっていて、いろいろと目移りしている姿を日頃からご覧になっているから、環境が変わった際にお子さんはじっとしているのが難しそうだと思われたのかなと想像しました。

 

しかし、入学してすぐに45分間、座り続けられる必要はありません。学校でも多くの先生はそこを期待していないはずです。少々体が揺れたり後ろを向いたり、椅子から降りて無意味に立ち上がったり。新入生とは、そのようなものです。

 

立ち上がってしまったら先生に「座ろうね」と言われてまた座ればいい。先生の話を聞いたり、しゃべったり、いろんな息抜きが実は授業のなかに入っているので、45分間は乗りきれてしまいます。だから、極端にしっかりやろうと思わなくても大丈夫です。