ニッチな市場は20年経ってもニッチなままだけど…
── 前例がないとやはり周囲の理解を得るのが難しいのですね。くじけそうになることはなかったですか。
小林さん:
いや、楽しかったです。いつも薄氷を踏むような形で、少しずつ課題をクリアしていきました。
ビール会社にビールの景品としてつけてもらったり、航空会社にビジネスクラスで出してもらったりもしました。どれだけお客様に商品に触れてもらえるか、タッチポイントを作ることが重要だと思い、ビールがあるところには自分から出向き、商品を持っていきました。
23歳から32歳まで営業だったので、それは自分の強みだと思っていて、現場に足を運んで楽しかったです。
── そうした努力の甲斐あって、おつまみスナック市場を切り拓いていったということですよね。成功の秘訣はなんでしょう。
小林さん:
まだまだ成功したとは思っていません。当時から20年近くたってもニッチはニッチのままです。ただ、小さい市場のままなので、伸びしろがあります。
── 小林さんは新規市場を開拓した実績などを元に、著書『結果を出すのに必要なまわりを巻き込む技術』も出されて話題となりました。マーケティングの知識もふんだんに書かれていますが、どのように身につけられたのですか。
小林さん:
実践、勉強、両方をしてきました。マーケッターは日々トレンド、技術が変わるので、勉強し続けなければおしまいになります。