好きなことを追求する生き方
──戸田さんは、一貫して好きな仕事を続けていらっしゃいますね。
戸田さん:
86年、長い歳月を生きていますけど、結局はあっという間なんです。一生は短いと昔から言われているけれど、いやいや仕事をしたり、無理な結婚生活を続けたりする方もいるけれど、嫌なことをわざわざなんでするのかって思いますね。せっかく命をもらったのに、自分に対して申し訳ないのでは?
自分は生きがいを感じているか。自分が好きではないことをして、毎日過ごしていて、それで満足なのか。もう一度、立ち止まって考えることも必要です。
──自分の好きなことがわからないという声も多く聞きます。
戸田さん:
20歳を過ぎても、したいことがわからない人って結構多いのよね。自分は何が好きかなのかわからないって。それはつまり自分を知らないということ。誰でも、好きなことって絶対あるはずなんです。
忘れてしまっているだけで、絶対に小さい頃には歌が好き、車が好き、絵を描くのが好きというように、自然に与えられた才能があったはずです。
日本の教育は、学校に入って集団活動が始まると子どもたちの芽を切って全員に“右にならえ”をしてしまう。家庭でも「勉強しなさい」となってしまうことも多いですね。そうなると持って生まれた才能を見失ってしまう。
子どもがこう生きたいと思うのと、好きなことを諦めざるをえないような状況になってしまっているのは本当にもったいないと思っています。