母親の前で娘に戻るとリラックスできる

── 加藤さん演じる真央は、小学4年生の娘を持つ母であり、島の医師として働く母を持つ娘でもあります。二つの母娘関係をどのように感じましたか?

 

加藤さん:
島に戻る前に相当疲弊することがあり、自分の娘を守らなければいけないという責任感を背負い、島に帰ってきた。そんな真央自身が娘に戻ることにより、いろいろなものから解放されてリラックスできたと思います。

 

こんな素敵な環境で自分自身を取り戻す平和な時間が過ごせたのは、本当に幸せなこと。

 

さまざまなことから解放されたおかげなのか、真央が一番幼く感じることもありました。

 

しっかり者の娘といるときも、優しく包み込んでくれる母といるときも、いっさい無理をせず、オープンな母、娘でありたいという思いがありました。自分の娘が抱えているつらさを理解しているところはきちんと見せつつ、でも、基本はオープンマインドでおおらかな感じを意識して。

 

自分の母親がいる時点で娘に戻り、ちょっと甘えた感じになるのは、私にも当てはまることなので(笑)、そこは自然に表現できました。

 

加藤ローサさんも「母親の前では娘に戻る」そう

── 木野花さん演じる母親の医師と、看護師の真央が一緒に往診に行くシーンは、仕事なのにとてもリラックスした雰囲気が漂い、こういう働き方もいいなと感じました。

 

加藤さん:
素敵ですよね。母が医者で自分が看護師。すごくいい関係だと思いました。

 

両方医者だったら、またちょっと違う関係になったかもしれないし、とてもいいバランスだなって。こういう形で母親と一緒に仕事をするのもいいなと思いました。

 

なんとなくですが、真央は心の中で限界が来たときには、母親のもとで働こうという思いで頑張っていたんじゃないかなと想像しました。