都会暮らしで変化した感覚に複雑な気持ちも

── シングルマザーとなり真央が戻ってきた地元の島は、独特の環境があります。島民同士の距離感はどのように感じましたか?

 

加藤さん:
「みんな親戚!」みたいな感じですよね。私も田舎出身なので、すごくリアルに分かります。

 

ピンポンせずに人が家にあがってくる、みたいな感覚がある場所で、それこそ、今の時期なら「きゅうりができたから持ってきたよ」とキッチンまで持って行ったりして。心だけでなく物理的にも距離が近いんです。

 

でも、地元を離れて暮らしてもう長いので、久しぶりに実家に帰ると、その感覚に戻るのに時間もかかります。居心地はいいけれど、1週間が限界かな(笑)。

 

田舎と都会両方の感覚を知る加藤ローサさん

都会暮らしが長いとこうなってしまうのか…と複雑になることもあったけれど、私の性格的にも限られた人と深く付き合うよりは、いろいろな場所を転々としてライトに付き合っていく感じが合っているのかな、と最近思います。

私生活が落ち着き見据える今後

── 今後も点々とする予定はありますか?

 

加藤さん:
今後はしばらくないとは思っています。現時点では、ですが…(笑)。フランス、静岡を経て東京に戻ってきて、今ちょうど4年目。そろそろ落ち着きたい気持ちもあります。仕事も徐々にですが再開しているので、東京に家があったほうが便利かなと。

 

── 4年経つとだいぶいろいろと落ち着き、仕事を含めて今後のことを考えるのに良いタイミングという感じなのでしょうか。

 

加藤さん:
そうなんです!まさに今、「これからどうしようかな」といろいろ考えているタイミングです。

 

いろいろ迷いすぎて、今年だけで6回も占いに行っちゃいました。考えが迷子になって、どうしたらいいのかわからなくなっているのかも(笑)。そもそも、なんでも自分の意思で決めたいタイプなのに、6回も占いに行ってる自分に笑っちゃいます。

 

でも、自分で決定するための選択肢はたくさん欲しいので「ま、いっか」という気持ちで気楽に考えています。

 

<作品情報>
映画『凪の島』
公開中
配給:スールキートス
© 2022『凪の島』製作委員会

取材・文/タナカシノブ ヘアメイク/三宅茜 スタイリング/浜木沙友里