「反応」と「返信」を使い分けたリアクションを

では、どうすればリモートワークでも心理的安全性を高めることができるのでしょうか。

 

リモートワークではメールやチャットツールなどでのコミュニケーションが主になります。

 

そこでまずリーダーが取り組んでほしいのが、リアクションをする際に「反応」と「返信」を使い分けることです。

 

「反応」とは、メッセージを送ってきた相手に何らかのリアクションをすることを指します。

 

送られてきた内容を理解したり、判断・検討したりする前に、まずは「確認します」「見ました、ありがとう」とだけ相手にサインを送るのです。

 

LINEのスタンプやSNSのいいねと同じ感覚です。

一方、「返信」は内容について読み込んで、検討し、了承や変更の指示などを返すことを指します。

 

チームメンバーからの相談に対してアドバイスしたり、仕事の報告に対して修正や追加の指示をしたりするのも返信です。

 

もしメンバーが進捗報告した際、リーダーから何もリアクションがなければ、「何か的外れなことを言ってしまったのかな」と、次第に不安になって職場の心理的安全性は下がります。

 

実際には単純にリーダーが多忙で手が回らなかっただけの可能性もありますが、リアクションがなければメンバーは返事がない理由がわからずとまどいます。

 

そこで、メンバーから連絡が来たら、リーダーは忙しくてもまず「反応」を返してください。

 

「今は忙しいので、後ほど読んで返事します」のようなひと言だけでかまいません。それだけで心理的安全性は維持できます。

 

もちろん、「明日の返事でも大丈夫?」「2日以内に返事します」など、返信する目安についても明記すると、メンバーはより安心することでしょう。

 

すぐに「返信」ができないときでも、「反応」だけはする気づかいを心がけましょう。