「返信」はポジティブな言葉から発する

メンバーに「返信」する場合に、気をつけてほしいポイントがあります。どんな連絡に対しても、最初はポジティブな声がけをすることです。

 

たとえば、プレゼン資料作りを依頼されたメンバーが完成前に、制作途中の資料を添えてリーダーに相談したとします。

 

その際、リーダーから「前に説明したのに何を聞いていたの?」「この資料の書き方じゃだめだよ」などと返信があったらどうでしょう。

 

人はネガティブな対応をされると「不安や罰を与えられた」と感じ、その原因となった行動が減る研究結果があります。

 

これは1930年代から研究されている「行動分析学」で指摘されていて、現在は応用行動分析や認知行動療法などにも活用されています。

 

リーダーとしてはメンバーからの報連相は多いほうが仕事はスムーズに進みますし、トラブルも未然に防げるので嬉しいはずです。

 

ネガティブな反応をすることで「心理的安全性」を下げ、望ましい「報連相」を減らさないためにも、ポジティブな言葉が重要なのです。

 

とはいえ、報連相の内容については仕事上、厳しいことを言う必要がある場面もあります。

 

そんなときにも「反応と返信を分ける」こと。もう少し正確に言えば、まずは、相手の行為へ感謝を伝え、その上で内容についてフィードバックをします。

 

具体的には「共有してくれてありがとう。内容確認します」とポジティブな反応を一度送った後で、内容についての返信をするのがおすすめです。

 

感謝をした上で、「何がわからなかったのか詳しく教えてくれる?」「この資料では伝わりにくいから、ここを変えてくれる?」と言葉を添えます。

 

相手がまだ言いたそうなこと、言い足りなさそうなことを感じ取ったら「今の時点で、私に知っておいてほしいことはある?」と声をかけるのも役立つでしょう。

 

追加での疑問や相談が言いやすくなり、メンバーは安心して今後の作業を進められます。作業効率アップにもつながるはずです。

 

報連相の「行動」に対しての感謝を伝える言葉がけと、「内容」に対しての仕事を前に進めるための言葉がけを分けることが大事です。