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全従業員8万人のテレワークをいち早く決めた!富士通が推進する“働き方の自由度”

仕事

2020.10.26

2020.10.27

共働き時代に見合った自分らしい生き方・働き方を模索するCHANTO総研。

 

今年7月、これからの新しい働き方として「Work Life Shift」というコンセプトを打ち出し、国内グループ全従業員8万人を対象にしたリモートワークに全面シフトした富士通。制度の導入に至った背景や、働きかたの選択肢を広げる斬新な施策についてお話を伺いました。

 

総務・人事本部で国内の人事制度企画を担当するお三方。(左から)高田ユリさん/1997年入社。「社内外のいろんな人と接することができるこの仕事は大変ですが楽しいし、やりがいを感じます」。趣味はカラオケ。荻荘由香さん/2010年入社。今年7月に育児休職から復職、現在1歳半の女の子のママ。三川真奈さん/2015年入社。「テレワークで時間に余裕が生まれ、自炊をする習慣がつきました。もっぱら“ズボラ飯”ですが(笑)」

 

 

——7月から国内グループ従業員約8万人を対象にテレワークへの全面シフトに踏みきられました。まずは導入の背景をおしえてください。

 

高田さん:

そもそも当社では、2017年から働き方改革に力を入れて取り組んできました。174月からはテレワーク制度も導入し、利用を推進してきましたが、なにぶん社員数が多く部門ごとにそれぞれ業務も違うため、全社的に浸透させることがなかなか難しく、頭打ち感がありました。

 

そんななか、新型コロナウィルスの感染拡大によって、働き方改革を進める機運が高まり、テレワークを全社的に推し進めることになったんです。コロナの発生後、今後の働き方について社員アンケートを実施したのですが、約55%が「働く場所は自分で選択したい」と回答。そうした結果も踏まえ、導入に踏み切りました。

 

9月時点でテレワーク率は80%くらい。残りの20%は、製造拠点など業務の都合に応じて出勤しているケースになります。

 

テレワークに伴う制度拡充も順次スタート

高田さん:

これに加えて、コアタイムのないフレックス勤務の適用を全従業員に拡大したり、テレワークと出張で対応可能な単身赴任者を自宅勤務に切り替えるなど、新しい働き方を打ち出しています。

 

また、在宅勤務の環境整備費として月額5000円も支給もスタート。これは、毎日出勤を余儀なくされている製造拠点の方も対象です。マスクの購入費などに当ててもらうことを想定しています。

 

——社員8万人を抱えての実施は相当大変そうですが、制度拡充によってどの社員にも働きやすいよう配慮されているのですね。テレワークへの移行にともない、オフィスのあり方も抜本的に見直されたと伺いました。

 

高田さん:

リモートワークが主体になると、これまでのようなオフィスは必要なくなってきます。今後は、業務の目的・コミュニケーションのスタイルにあわせて、“Collaborate(コラボレート)”を目的とする「Hub Office(ハブオフィス)」、“Connect(コネクト)”を目的とする「Satellite Office(サテライトオフィス)」、“Concentrate(コンセントレート)”を目的とする「Home & Shared Office(ホームアンドシェアオフィス)」に整理し、それぞれの目的に最適なオフィス環境にリノベーションをします。社員は目的とロケーションから最適なオフィスを自律的に選択し、使いわけることになります。

 

東京汐留本社内のサテライトオフィス「F3rdX(エフサードクロス)」。お客様やビジネスパートナーとのコラボレーションを重視した共創空間として2020年7月に開設。カフェカウンターが設置され、コーヒーなどの飲み物も自由に。

 

荻荘さん:

実は2017年からテレワークに取り組んできたなかで、オフィスの新しい形についてずっと検討してきました。社内のサテライトスペースもこの3年間で15か所ほど増やしています。社外のシェアオフィスは、都心や郊外の駅付近などアクセスのよい場所にあり、今後、エリアと数を増やしていく予定です。

 

テレワークならではの悩みもシステマチックに対応

——テレワークは便利な反面、プライベートと仕事の境界線がなくなりがちで、つい働き過ぎてしまったり、オンラインでのコミュニケーションに苦労しているという声も聞きます。そのあたりについての対策は講じられているのでしょうか。

 

荻荘さん:

働きすぎを防ぐために、システム上で時間を“見える化”しています。具体的には、パソコンの接続時間のログを毎日自動的に取得し、勤務時間の打刻申請と比較して乖離がないように徹底します。オンラインのコミュニケーションは「Office 365」を活用して、メールやインスタントメッセージなどで随時連絡を取り合うなど、それぞれの部署で皆、工夫しているようですね。

 

我々もそうした声に対応すべく、新たな取り組みとして、今年度から上司と部下の「1on1ミーティング」を導入しました。これは、月に1度上司が部下の悩みや相談にのったりキャリアのアドバイスを行うもので、コミュニケーションを活性化することが目的です。

 

 

高田さん:

リモートワークがスタートしてまだ日が浅いこともあり、オンラインでのコミュニケーションはどの部署でも模索中で、共通課題になっています。対策として弊社では、リモートワークのナレッジをシェアするワークショップをオンラインで開催しています。

 

——コミュニケーションがしづらい環境に身を置いているなかで、そういう場があるのは心強いですね。どういう内容のワークショップなのですか?

 

三川さん:

テーマによってワークショップの内容は様々ですね。例えば、マネジメントやコミュニケーションに悩んでいる社員同士がオンラインでディスカッションをしながら、それぞれの知恵を持ち寄って意見交換を行ったり、課題解決について議論するといったものです。

 

——横のつながりができるのはオンラインならでは、という感じがします。通勤がなくなり、時間と場所を自ら選んで働けるとなると、選択肢がぐっと広がりますね。

 

高田さん:

実は、段階的に遠隔勤務を認めていくことを考えています。現段階では、単身赴任の方が自宅や実家に戻ることを希望する場合、業務の都合を見ながら検討し、問題ない場合は自宅勤務に切り替えているのですが、現在、単身赴任者のうち450名がトライアルまたは自宅に戻っています。

 

もしかしたら、今後は自分の希望する場所で働くことができるようになるかもしれません。もちろん会社として業務との兼ね合いをみながら判断していなくてはいけませんが、そうした働き方も段階的に検討をしているところです。

 

 

実はコロナ禍以前から、自由度の高い働き方について着実に改革を進めていたという富士通。全社員リモートワークへの移行がスムーズだったのは、そうした背景があるようです。次回は、リモートワークに全面シフトした後のママ社員の暮らしについて、実情をお聞きします。

 

 

取材・文/西尾英子 撮影/masaco

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