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「1アイデア500円」社員の提案力を育む 未来工業株式会社の取り組み

仕事

2020.10.30

共働き時代に合った私らしい生き方・働き方を模索するCHANTO総研。

 

電気設備資材、給排水設備およびガス設備資材の製造販売等を行う未来工業株式会社。次々と新製品を開発する事業スタイルを支える制度がここにはあります。

 

それは、「事業や業務に関する提案を1つするごとに500円支給される」というユニークな制度。気軽に取り組め、社員の提案力向上に役立っているという同制度について、広報担当の杉原さんにお話を伺いました。

 

ワンコインの気軽さで、積極的に改善提案を

制度名称: 1提案ごとに500円支給

導入開始日: 1980年頃から実施中

対象者: 社員

今までに利用した人数: 未計測

 

未来工業株式会社 総合企画部 杉原創紀さん

1997年入社。製品開発をスタートに、社内の様々な業務を経験。現在は総務、広報の仕事を行っている。統合企画部総務課チーフ。

 

 

——電気設備資材などの製造・販売以外にも農業や環境改善に貢献した事業も展開されているそうですね。常識にこだわらないアイデアが事業にも活かされているように感じます。その一つである、1提案ごとに500円支給される制度はユニークで楽しい取り組みですね。どんなことがきっかけで導入されたのでしょうか?

 

杉原さん(未来工業):

未来工業の企業理念は、「常に考える」です。積極的に提案する仕組みをつくることで、社員に考える習慣を身に付けてほしいとの願いからこの制度が始まりました。もう40年以上も続いています。

 

——「500円」という気楽さを感じさせる金額設定が提案に対するハードルを下げているのでしょうか。提案内容の条件などはありますか?

 

杉原さん(未来工業):

いいえ。給与・人事以外のすべての内容が対象となっています。そのなかで、優秀な提案については別途3万円が支給されます。なかには年間200件以上提案する社員もいるんですよ。

 

——それはすごいですね!年間200件ということは…。

 

杉原さん(未来工業):

そうなんです、給与とは別に10万円、さらに多数提案賞として15万円支給されることになります。インセンティブになりますよね。現在、社員数は856人なのですが、年間で計5000件の提案があります。

 

たとえば、「電話当番システム」を導入しました。お客様からのご注文・ご質問を受ける部署があるのですが、電話が鳴るとフロアー内の社員みんなが反応して業務が中断していたんですね。それを30分毎に電話に出る当番を決めたことで、それぞれ自分の仕事に集中することができるようになり、業務効率が上がりました。

 

またお客様のために玄関に椅子を置きました。これはお客様がタクシーなどをお待ちになる際、その間座っていただくためのものです。

 

このように社員の日々の提案の積み重ねや、何より積極的に提案していこうとする姿勢が、会社をより良くしていく土台となっていると感じます。

 

——社員のみなさんの意識向上にも役立っているのですね。

 

杉原さん(未来工業):

はい。何よりもまず、「アイデアを出すことが楽しくなる」という声をよく聞きます。さらに、多数提案する社員からは「視野が広がった」、「仕事に対する意識や探究心が高まった」、「伝える力を磨く練習の場となっている」という声が寄せられています。

 

「ライフワークバランス」を掲げる未来工業は、創業初期より社会貢献活動や芸術文化支援にも積極的に取り組んでいる。

 

「ライフワークバランス」で、生活も仕事も質を上げる

杉原さん(未来工業):

忙しい毎日の中では、どうしても仕事を「こなす」という感覚になってしまいがちです。しかし、会社の文化として「提案」を推奨していくことで、「何か改善できることはないか」、「より良くするにはどうしたらいいか」という視点を持つようになります。その結果、どんどん仕事も、生活も改善していくことができるんです。

 

——業務だけでなく、生活面にも影響があるのでしょうか。

 

杉原さん(未来工業):

「ワークライフバランス」という言葉がありますが、未来工業では「ライフワークバランス」と呼んでいます。「ライフが先だよ」と。「生活が安定してこそ仕事も充実できる」という考えですね。休みも比較的取りやすいんですよ。家庭の事情が影響しやすい女性にとっては特に、働きやすい会社だと思います。

 

——家庭のことも「こなす」だけでなく、より良い生活を送りたい、という意識が芽生えてくるのですね。それはやはり、「常に考える」をモットーとする未来工業だからこその「ライフワークバランス」なのでしょうか。

 

杉原さん(未来工業):

会社の中の「常に考える」土壌が、一人ひとりの仕事と生活の質を上げているのだと思います。そういう意味で、1提案500円の制度は、未来工業の特徴をよく表した制度だと言えると思います。

 

——なるほど。常に考えることが生活の質も上げているのですね。それでは、杉原さんがこの制度自体に改善提案するとしたら、どんなことが思い浮かびますか?

 

杉原さん(未来工業):

年間5000件も寄せられるとなると、提案内容としては正直、玉石混交な面もあります。でも、うちの社員ならもっともっと質の高い提案へとつなげていくことができると思うんですよね。「やってみたい」という意欲を後押ししながら、一つひとつの提案の質が向上していくためのしかけをこれからも考えていきたいです。

 


「1提案ごとに500円」という、どこか子どもの頃のお小遣いを思い出させる楽しい取り組み。その奥には「常に考える」という、創業当初から40年もの間変わらぬ姿勢がありました。この柔軟な発想を促すための取り組みによって、これからも細やかなところにまでアイデアが冴える製品やサービスを世に送り出されるのでしょう。

 

 

【会社概要】

社名:未来工業株式会社

従業員数:社員856名

設立年月日:1965年8月

業種:設備資材製造販売業

事業内容:電気設備資材、給排水設備およびガス設備資材の製造販売

 

 

取材・文/八田 吏(mugichocolate株式会社)

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