オンライン上でのリモート接客(サマンサタバサ)
コロナ禍で顧客との絆をいっそう強めた企業もあります。サマンサタバサグループでは、実店舗の休業に伴う在宅期間中、スマホの公式アプリを活用してオンライン上でリモート接客を行いました。
リモート接客は、実店舗休業期間中の一部販売スタッフが自宅から顧客一人一人に向けて公式アプリ内の写真や公式オンラインの画像、URLを使用して、コミュニケーションを取ったもの。当初は「外出自粛要請中でも、スタッフによる接客でお客様にお買い物を楽しんでもらいたい」という純粋な思いから始めましたが、結果的にECの売上も増加。
「販売スタッフから説明を受けたことで、ECには載っていない個人的な不安が解消されて初めてオンラインで購入した」「実際に着けられなくても商品のイメージが湧いた」など、会話やショッピングを楽しんだ顧客からは喜びの声が多数寄せられました。
またサマンサタバサグループでは、4月8日から30日まで期間限定でスタッフ一人一人にそれぞれシークレットスタッフコードを発行。販売スタッフのEC売上貢献を可視化してリアルタイム共有がされたことで、勤務できない販売スタッフでも「在宅でも売上げに貢献している」というモチベーションにつながりました。
販売スタッフからは「休業中でも自分がお客様のためになること(接客)ができて嬉しかった」「顔を見て話したいというニーズも多いので、今後はビデオ会議ツールを利用した接客にもチャレンジしてみたい」という前向きな声が寄せられたとのこと。
外出制限下でもコミュニケーションを取っていたことがきっかけとなり、営業再開後には実店舗への再来店につながったケースも多く見られています。今後は実店舗で感染予防を行ってお客様をお迎えする体制づくりはもちろんのこと、引き続き外出を控える顧客に向けて、ショップ発信のブログやインスタグラム、スタッフスタート(※デジタル接客アプリ)などウェブでの商品提案を強化していく方針です。
サマンサタバサグループの取り組みは、対面が必須と思われがちな仕事であっても働き方をアップデートする方法を考えていく上で、大きなヒントになりそうです。
※スタッフスタート……企業、販売員、顧客をつなぐエンゲージメント向上アプリ。販売スタッフ発でコーディネート投稿や商品説明が行える、商品やSNS等のURLをQRコード変換してスムーズな案内につなげるなど、デジタル接客を容易にするツール。