しかし、彼女には大きな悩みがあります。

会社の成長に自分のスキルが追いつかず、トラブルが多発。気づけば投資家たちからCEOを招くよう、迫られているのです。この会社は自分の会社なのに、です。

そんなとき、シニア・インターンとして入社してきたのがロバート•デ•ニーロ扮する70歳の新人・ベン。定年退職後、妻に先立たれて早3年。時間を持て余し、やりがいのある日々に飢えていたベンが、社員の平均年齢30歳!みたいな創立間もないベンチャー企業にやってきました。

Macの立ち上げ方も、インスタグラムもFacebookも知らない70歳。そして、なんと社長直属の部下に。こんな大事な時期に限って…、もう心配しかありません!

 

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▲クラシックなスーツスタイルを好み、紳士的な振る舞いのベン。

その物腰柔らかな人柄や包容力で、いつしか社員たちの人気者に。さあ、ジュールズの部下は務まるのか!?

働くママの“ココロ安らぐ時間”の大切さ。

 

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▲社内を自転車で移動するジュールズ。分刻みのスケジュールの中、コールセンターで顧客の意見を直接聞いてみたり、 配送センターに出向いて包み方をレクチャーしたりと現場を大切に考える働きぶりは観ていて気持ちいいんです。

主人公のジュールズは仕事を第一に考えて突っ走ってきました。

専業主夫に支えられて仕事に専念する事は、ときには働く女性の憧れかも知れません。でも、皆さんの予想通り、問題は山積みです。家族と過ごす時間は激減し、娘との約束も果たせず、夫とゆったり過ごす時間はありません。キラキラとしたファッション業界で働く彼女をよく思わないママ友の冷たい視線、社長としての責任を果たしたいのに足りないスキル…

職場にも家庭にも味方がいないと感じているジュールズの心は干上がっていきます。映画の序盤、幸せ全開で悩みとかないだろお前!とか妬みながら見ていたのに…この状況、何とかならないのか、と胸が痛みます。

そこに彗星の如く現れたのがデニーロ扮するベン、となったワケですよ!

入社当初、心配しかなかったベンですが、実は尋常じゃない気づかいスキルを持ったスーパー紳士のおじいちゃんでした。若者に自然に溶け込み、つねに他人を気づかいながら働く事で職場でも一目置かれる存在になっていきます。このおじいちゃんこそ、ジュールズの乾いた心を少しづつ潤していくヒーローとなったんですよ!

世の中の働く女性はこう思うに違いありません。「ベン、うちの職場に来てくれよ」と。

彼が発する優しい言葉と、穏やかな微笑みに癒されまくります。もう、まるで“歩くマイナスイオン”です。

 

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▲偶然にも社内でジュールズの涙を見てしまったベン。仕事に行き詰まっている事を知ってからというもの、彼女の働きぶりを讃えて、部下として支えます。 ジュールズが一人で残業していればベンも一緒に残り、仕事以外の楽しい会話で笑顔にさせる。その優しさで、次第にジュールズは心を開くようになります。

僕はこの映画を観ながら、ふと思いました。

この、ホッとひと息つける瞬間が、本人が考えている以上に大切なんだと。

そう、この映画、おじいちゃんと友情を築くと楽しいよ、って話じゃない。

働くママの心が安らぐ時間の大切さが、たっぷりと詰まってます。

お弁当作りを手伝おうとしてまったく味のしない卵焼きを作り、量を考えずウィンナーをひと袋ほど炒めてしまった自分が恥ずかしい。ベンに程遠い自分が…恨めしい。

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▲毎週、きっちり完食してくる晴太朗。どうやら僕が作ったウインナーと卵焼きも食べてくれたようだ…良かった…