気軽に、そしてリーズナブルにおすしを食べることのできる回転ずしですが、家族連れで大賑わい、まるでファミリーレストランのようです。その理由の一つには、充実したサイドメニューがあること。すしだけでなく、スイーツやフルーツ、うどんやそば、ラーメンといったものまで揃っています。もう単なるおすしの店ではなくなってきているよう。回転ずしはどこまで進化を遂げていくのでしょうか。
■回らない回転ずし
回転ずしは、握ったおすしがカウンターを移動して回っているため、回転ずしという名前になっています。もちろん、おすしが回っているのが普通の光景なのですが、一部ではこの回るカウンターがなくなっている回転ずしもあるのです。 カウンター自体はあるのですが、周回するタイプではなく、直線となっているのです。回っているおすしを見て好きなものをとるというシステムではなく、食べたいおすしは全て注文するということなのです。注文したおすしは厨房で握られ、直線のレーンで注文したお客様にそのまま届くというシステムになっています。 いつでも握りたてのおすしが食べられるということなのです。ですが、メニューを見て注文するため、回っているおすしを見ておいしそうだから食べるといったことはできないのは少し残念かもしれません。
いつも定番の同じメニューになってしまいそうです。 名称を付けるのであれば、回転ずしではなく直進ずしといったところでしょうか。
■シャリを握るのはすしロボット
おいしいおすしの条件は、上質なネタということになるのですが、それと同様にシャリの握り具合も大切と言えます。飯炊き3年握り8年といった言葉があるように、きちんとしたシャリを握れるようになるには11年かかると言われていました。
それだけ一人前になるには、時間がかかるということなのです。 回転ずしでも以前は職人さんが目の前で握っていましたが、今ではすしを握っている職人さんが少なくなっているように思います。というのもチェーン店の回転すしの多くは、シャリを握るロボットを使っているからなのです。ロボットであれば、人件費もかからず、常に一定の品質でシャリを作ることができます。ロボットであれば、かつてのような厳しい修業も必要ないのです。 あとは、シャリにわさびを塗ったり、シャリの上にネタを乗せたりするだけ。これならアルバイトでもできるでしょう。ご飯を炊くのもおかまで炊いていたものが炊飯器に代わって久しいですよね。どんどんいろいろなことが自動化されているのです。 店舗が増えてくるとどうしても職人さんの数が不足してしまいます。多くのお客に多くのすしを提供するためには、機械化も仕方のない部分なのかもしれません。 ファミリーレストランなどではずいぶん前からセントラルキッチン方式を採用しているため、それぞれ店舗では料理人をあまり必要としていません。回転ずしも時代の流れにようやく追いついてきたといったところなのかもしれません。 美味しいものを安く提供するにはこういったことも必要になってくるのではないでしょうか。