今回は日本の大動脈である東海道新幹線(新大阪駅~東京駅)を取り上げます。東海道新幹線で最も停車駅が少ない列車は「のぞみ号」であることは多くの方が知っていると思います。しかし、調べれば調べるほど、東海道新幹線を走る列車の停車駅は複雑なことがわかります。それでは、さっそく見ていくことにしましょう。

東海道新幹線は「のぞみ号」「ひかり号」「こだま号」の3本セット

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まずは東海道新幹線の基本をチェックしましょう。東海道新幹線の運行体系は「のぞみ号」「ひかり号」「こだま号」の3本セットです。東海道新幹線の開業当初は「のぞみ号」「こだま号」の2本セット。「のぞみ号」が加わったのは1992年(平成4年)のダイヤ改正時です。 東海道新幹線の列車名は停車駅で分けられています。以下の表をご覧ください。

 

  • 「のぞみ号」:最速タイプ(停車駅:東京駅、品川駅、名古屋駅、京都駅、新大阪駅)
  • 「ひかり号」:中間タイプ(停車駅:列車によって異なります)
  • 「こだま号」:各駅停車タイプ(停車駅:各駅停車)

 

「のぞみ号」と「こだま号」はどの列車も同じ停車駅なので、わかりやすいと思います。問題は「ひかり号」です。「ひかり号」は列車により、停車駅が異なります。それでは「ひかり号」をもう少し詳しく見ていきましょう。

難しいのは「ひかり号」の停車駅

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「のぞみ号」が登場する前は「ひかり号」が東海道・山陽新幹線の最速列車でした。東海道新幹線の開業当初は「超特急」(「こだま号」は「特急」)と呼ばれていました。「のぞみ号」が登場してもしばらくは東海道新幹線の主役であり続けましたが、2003年(平成15年)のダイヤ改正で立場が入れ替わることに。「のぞみ号」が増発される一方、「ひかり号」は大幅に減り、「のぞみ号」を補完する列車となりました。

 

2019年4月現在、「ひかり号」の停車駅は複数のパターンになっています。日中時間帯を走る「ひかり号」の停車駅を少しだけ書き出してみましょう。

 

  • ひかり509号(東京駅→新大阪駅) 停車駅:東京、品川、新横浜、豊橋、名古屋~新大阪間の各駅
  • ひかり469号(東京駅→岡山駅) 停車駅:東京、品川、新横浜、三島、静岡、浜松、名古屋、京都~岡山間の各駅
  • ひかり511号(東京駅→新大阪駅) 停車駅:東京、品川、新横浜、小田原、名古屋~新大阪の各駅
  • ひかり471号(東京駅→岡山駅) 停車駅:東京、品川、新横浜、静岡、浜松、名古屋、京都~岡山間の各駅

 

まるで、パズルができそうな感じですね。ただし、1つだけ言えるのはどの「ひかり号」であっても、「のぞみ号」よりは停車駅が多いということです。また、「ひかり号」が止まらない駅があります。「ひかり号」が止まらない、つまり「こだま号」のみが停車する駅は以下のとおりです。

 

新富士駅、掛川駅、三河安城駅

 

上記の駅以外は何かしらの「ひかり号」が停車します。「ひかり号」の列車本数は1時間に2本程度とそれほど多くないため、同列車を利用する場合は時刻表でチェックすることをおすすめします。また、くれぐれも停車駅をチェックすることもお忘れなく。

昔は京都駅、名古屋駅通過の「のぞみ号」があった?

今でこそ東海道新幹線の主役である「のぞみ号」でしたが、デビュー当初は1日2往復という「特別な列車」でした。「のぞみ号」は最高時速270km/hを実現し、東京駅~新大阪駅間を当時の「ひかり号」より19分早い2時間30分で結びました。しかし、最もインパクトがあったのは京都駅、名古屋駅通過だと思います。つまり、東京駅、新横浜駅に止まると次は新大阪駅までノンストップ!京都駅、名古屋駅通過の列車は「のぞみ号」が初めてとなり、名古屋では「名古屋飛ばし」として大クレームが来たそうです。

 

現在の「のぞみ号」は京都駅、名古屋駅に止まりますが、最高時速285km/hを実現したので、東京駅~新大阪駅間の所要時間は2時間30分を切っています(最速列車)。

車両は変わっても列車名は変わらない?

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東海道新幹線の車両はどんどん変わっています。2019年度にはカモノハシの形で知られる700系新幹線が東海道新幹線から撤退します。おそらく、令和になっても最先端の車両が投入されることになるでしょう。

 

しかし、車両が変わっても現在の列車名は変わらないと思います。東海道新幹線の列車名は他線区とは異なり、広く日本人に行き渡っているもの。子どもでも「のぞみ号」という列車名を知っていると思います。それをいきなりまったく新しい列車名に変更することは考えにくいです。また、ダイヤの都合上「第四の列車」も難しいでしょう。

 

世間は「平成」から「令和」への元号の変更で賑わっていますが、東海道新幹線の列車名は元号と同じくらい変更しづらいと思います。

 

文・撮影/新田浩之