—— 恋愛と友情の間で揺れる三角関係がポイントになりますが……。
大谷監督
高校時代だけが、恋愛と友情の間で悩んだり傷ついたりする唯一の時期。中学生の頃は、恋愛が何かというのもまだつかめていないし、大学生になったら自由恋愛、個人を大事にするものです。
幼馴染、同級生、友情という、これまでに育んできたものを、好きな異性が現れたことでなかなか壊すことができない、その関係性を飛び越えることができない様子をすごく丁寧に表現したいと思い、ストーリーの複雑さよりも、関係性の脆さや儚さを丁寧に描くことにこだわりました。
—— 「原作ファンだけでなく、映画が好きな“大人”の方にも観てほしい」とおっしゃっていましたよね。
大谷監督
CHANTOの読者さんにも、男の子に告白してフラれた瞬間を、昨日のことのように思い出してもらえるのではないでしょうか。子どもがいるから、仕事があるからということは全く関係なく、どの人物もフったりフラれたり、傷ついたり傷つけたり。そういった出来事のひとつひとつを丁寧に描いています。こういうことをくぐり抜けないと、大人にはなれない。そういう意味では大人が観ても「キュン」としたり、痛みや苦味も思い出せる作品になっています。友情と恋愛の板挟み、そこに昔の彼女も登場してきて、関係性が複雑になる。人間関係のおもしろさを感じてもらえるはずです。