67-1

 

他人同士が集い、同じ業務に取り組む中で、時折発生するのが「うわさ話」です。どこが出どころなのか、また本当かうそかもわからないようなうわさ話を聞いたことがある!という方も多いのではないでしょう。また時には、自分自身が職場のうわさ話のターゲットになってしまうこともありますよね。 実はこのようなうわさ話も、ハラスメントに該当する可能性があります。職場のうわさ話に注意するべき理由を、わかりやすく解説していきます。

 

■心無いうわさ話が、該当者を退職に追い込む危険性もアリ!

どこからともなく伝わってくる、うわさ話。それが本当のことなのかどうか、よくわからないまま「○○さんって、△△らしいわよ」なんて、聞いたり伝えたりした経験がある方も多いのではないでしょうか。 職場におけるうわさ話は、特にコミュニケーションの一つとなるもの。とはいえ「自分自身がうわさの対象になっている!」となれば、心中穏やかではいられない方も多いはずです。 うわさ話の内容が本当のことであっても、「周囲に知られたくないこと」が広まってしまうのは困った事態です。またその内容がうそである場合は、なおのことです。本人が否定して、すぐにそれで納まれば良いのですが……現実には「ムキになって否定するところが余計に怪しい!」なんて、さらなるうわさ話に発展してしまう可能性もあります。 職場のちょっとしたコミュニケーションのつもりで楽しんでいるうわさ話でも、ターゲットとなっている人の心を傷つけ、追い詰めてしまう可能性は大いにあります。 実際にうわさ話が原因で、心の病を患ってしまったり、退職に追い込まれてしまったりすることも……。そんなつもりはなくてもハラスメント(いやがらせ・いじめ)に該当してしまいます。

 

■同性であっても、セクシュアルハラスメントになる!

職場でも問題になりやすいセクシュアルハラスメントですが、一般的に「男性から女性に向けて行われるハラスメント」という認識を持っている方も多いのではないでしょうか。 しかし実際には、女性から男性へのセクハラもあれば、女性同士のセクハラもあります。そして職場のうわさ話が、このセクハラに当たる可能性もあるのです。 セクシュアルハラスメントとは、「性的な言動」により不利益を被ったり、就業環境が害されたりすることを指します。この「性的な言動」の中に、「うわさ話」も含まれているのですね。 例えば、「上司と不倫している」「ホテル街で○○さんを見かけた」なんてうわさ話は、「性的な言動」に当たり得るもの。対象者がこのうわさ話によって、「就業環境が害された」と感じれば、それは立派なセクハラなのです。 女性=セクハラの被害者というのは、もはや思い込みにすぎません。職場でうわさ話に加わることで、セクハラの加害者になってしまう可能性もあるのです。

 

■うわさ話は、パワハラになる可能性も!

職場の人同士、コミュニケーションの一つとして何気なく楽しんでいるつもりのうわさ話でも、自分自身とターゲットとの関係性においては、パワーハラスメントに該当してしまう可能性もあります。 例えば自分が上司の立場で、特定の部下の悪いうわさ話を流したとしたら……パワハラ認定される可能性も高くなります。部下にとっては、上司からの嫌がらせで職場に居づらくなるわけですから、たまらない状況だと言えるでしょう。 気付かないうちに加害者にならないよう、十分に注意する必要があります。