■コミュニケーションに主軸を置いて

「何かを教える」「誰かから教わる」という行為の基本は、人間同士のコミュニケーションにあります。指導係に任命されたからといって、「自分の方から一方的に相手に伝えるだけ」という指導スタイルは、あまりオススメできません。「伝わっているようで、実はなにも伝わっていない」というトラブルを生み出しがちです。 説明の途中で「ここまでで何かわからないことは?」と問いかけ、相手の反応を見ることも、大切なコミュニケーションの一つです。また「○○についてはどう思いますか?」なんて問いかけることで、相手の理解度を図ることもできるでしょう。 お互いにコミュニケーションをとりながら、一つ一つ丁寧に指導していけば、「教えたつもりになっただけ」なんてことも避けられるはずです。 教える側と教わる側がコミュニケーションを軸に関わり合うためには、以下のようなフレーズは禁物です。 ・「とにかくやってみるから、見て覚えて」と、相手を突き放す


・「こんなこともわからないの?」と、頭ごなしに相手を否定する


・「今忙しいから、自分で判断して」と、相手からの質問を無視する これらの行為は、相手とのコミュニケーションを拒絶するもので、お互いの間の信頼関係を崩してしまいます。「教えた」ことにはならないので、注意しましょう。

■評価とフォローも忘れずにしよう!

新人に何かを教えたら、実際に教えたとおりにできているかどうか、評価を行うことも大切です。きちんとできている点についてはしっかりと褒め、至らなかった点については、再度フォローを行います。 これらを繰り返すことで、知識や技術は徐々に記憶に定着していきます。一つずつ確実に、繰り返していきましょう。

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■まとめ

他人に何かを教え、理解してもらうということは、非常に難しい作業でもあります。しかしだからこそ、「教える側」にとっても、良い訓練になるでしょう。自分が覚えた内容は、周囲に対してわかりやすくアウトプットできるようになった段階で、「本当の意味で自分のものになった」と言えます。 「教える」「教わる」という作業の根底には、人間同士のコミュニケーションがあります。「新人の覚えが悪い!」と嘆きたくなったときには、ぜひ「自分自身の教える能力」にも注目してみてくださいね。ほんの少し工夫するだけでも、相手の理解度を大幅にアップできるのかもしれません。